シルバー・イノベーションはデザイナーの吉祥性が鍵




 

身近な環境を見渡すと、僕が所属している組織でも少子化の波が思いっきりかぶさっています。

 

我が家も子供は1人で今後2人目が欲しいところですが、今はいろいろな事情でなかなか授かることができません。

 

少子高齢化。

 

先日、僕が大好きなテレビ番組でシルバー・イノベーションのことが取り上げられていました。

 

経済学視点の番組オイコノミア

「オイコノミア」は、Eテレのテレビ番組で、吉本興業の又吉直樹が毎回いろいろな経済学者とともに様々なテーマを経済学的視点の角度から考察していきます。

 

行動経済学などが好物のマーケター・Webディレクター・UXデザイナー・IA(インフォメーションアーキテクト)のみならず、企業人全般にオススメの番組だったりします。

 

毎回おもしろい内容で毎週欠かさず観ているのですが、今回の「経済学で目指せ! 明るい高齢化」は特に感慨深い内容だったので、ブログに記録することにしました。

 

シルバー・イノベーションとは

本題に戻りますが、シルバー・イノベーション(高齢者向け技術革新)とは、その名の通り、高齢者の方々をターゲットにした新たな価値を創造することで、僕は言葉としては初めてこの番組で知り、興味が湧いてきました。

 

ご存知、日本は今世界のどの国よりも高齢化が進んでいます。

 

直近2016年の世界の高齢化率(高齢者人口比率)の国別比較統計ランキングでは、日本が1位で26.86%、2位のイタリアでは22.75%、3位のギリシャでは21.60%となっており、1位の日本から下は22位まで全てヨーロッパ諸国です。

出典:GLOBAL NOTE 世界の高齢化率(高齢者人口比率) 国際比較統計・推移
https://www.globalnote.jp/post-3770.html

 

【世界の高齢者人口】

  • 2015年 約6億人
  • 2035年 約10億人

 

世界の高齢者人口は、35年には約10億人に膨れ上がるらしいです。

 

さらにアジアの高齢者向け市場だけでも2035年には、約500兆円に昇るという試算が出ていることがわかりました。

 

今の日本はシニア向けのイノベーションが生まれやすい

深刻な状況に変わりないのですが、逆にこれを日本のGDPを向上させるチャンスとして捉える考え方が、番組で紹介されていました。

 

これからはヨーロッパ諸国を中心に、他の国が日本に遅れて高齢化が進んでいきます。

 

決定的打開策はないと言われている今、日本が直面している高齢者の医療や介護、雇用などの多くの高齢化問題に対し、革新的なアイデアを生み出す動向に深い関心を示す人たちが1人でも多く増えれば、日本人によるシルバー・イノベーションが生まれやすくなるはずなのです。

 

日本は今、どの国よりも先立って、今後世界で増加傾向の高齢化問題に取り組むモデルとしてだけでなく、多くのメソッドが生み出せる機会に恵まれていることがいえます。

 




 

革新的なデザイナーが必要な時代

今、少子化によって日本の人口が少なくなっていますが、人口が少ないからといってGDPが減るわけではないそうです。

 

大切なのはイノベーティブな考えを持った人たちが多いか少ないかの問題で、今までとは違うことを考えようとする人たちが必要になってくるとのことです。

 

つまり、イノベーティブなことを考える人の比率を増やしていかないと人口が減ってった時にイノベーションが起こりにくくなるのです。

 

イノベーションが起こらないとGDPは下がる一方。では、どんな人が適任なのか。

 

僕はデザイナーだと考えています。

 

文頭でオイコノミアがマーケター・Webディレクター・UXデザイナー・IA(インフォメーションアーキテクト)の人たちにオススメと書いてしまったのは、こういったデザイナー的資質を持った人たちこそ、イノベーションを起こしやすいのでは?と感じたからだと思いました(一概には言えませんが)。

 

デザインという観点は、ビジネスの諸問題をまったく新しいかたちへと変化させる。右脳から出てくる発想は、ビジネスの大きな課題を解決するうえでより重要になりつつある。デザイナーはその本質として、消費者の行動、思考、感情を深く理解し、そのニーズに感情移入する傾向がある。彼らは、ごく小さな洞察であっても掘り出すことができ、それが、左脳で考える人間には思いもつかないような、あっと驚く技術革新につながっていく。

引用:WIRED
https://wired.jp/innovationinsights/post/social/w/design-inspires-future/

 

人々のニーズを探り出し、飛躍的発想で生活を豊かにする―それが「デザイン思考」だ。物事の機能的な性能だけでなく、感情的な価値をも考慮に入れる。それを通じて、人々の隠れた(潜在的な)ニーズを把握し、機会へと置き換えるのだ。デザイン思考家の人間中心のアプローチを利用することで、新しい製品やサービスを人々の既存の行動に結び付け、受け入れられる可能性を高めることができる。

引用:デザイン思考が世界を変える (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) ティム・ブラウン(著), 千葉 敏生 (翻訳)

 

デザイナーの重要性というより、吉祥性を浸透させる。

最後にオイコノミアでは、第一に、(変わり者)(今までと違うことを考える人)など、イノベーティブな人を評価するような価値観を、まずみんなが持つことが大事。と紹介していました。

 

番組中に、経済学者の大竹文雄さんが、(変わり者)(今までと違うことを考える人)という表現をしていましたので、特に”デザイナーでなくてはならない”というわけではありません。

 

しかし、革新を意識しながらも、ビジネスを理解し、問題解決を生業にしているデザイナーこそ、一番期待できるのはないでしょうか。

 

最近では国内でも大手企業がデザイナーの重要性に気づき、そして、デザイン思考な制作会社や、そういった意識を持っているデザイナー個人も少しづつ増えてきていると思います。

 

ですが現実的には、未だ中小企業までは浸透しきれていないのが現状です。

 

重要性というよりも、もはや吉祥性。これからのデザイナー達はシルバー・イノベーションを起こす前に、まず、そういった意識を中小企業を含む日本全体に持たせる”デザイン”をするべきなのかなと思いました。

 

僕の場合、まずは自身が所属する組織からだ。