オライリーの『デザインの伝えかた』はディレクターも読むべき




 

プログラミング系の技術書でエンジニアにおなじみのオライリー出版のUXデザイン本シリーズ。

 

ステークホルダーにデザインの意図を正しく伝え、承認や合意を得ることは最適なUXを実現する

 

序盤はUXがもたらした近年のデザインの役割変化についてを振り返り、そして有効なコミュニケーションがデザインの決定過程においてどれほど必要不可欠なのか理解を深めてから、内容の濃い本題へと突き進んでいく。

 

Webサイトやアプリの制作を依頼をしてくるのはクライアントだったり自社の役員だったり。

 

他にも、一緒にプロジェクトのゴールへと向かうエンジニアやプロジェクトマネージャーなど、避けようのないステークホルダー(非デザイナー)たち相手に、デザインの専門家であるデザイナーが事業課題解決のためのデザインの意図をどう伝えることができるのか?

 

多くの修羅場をくぐってきたデザイナーである著者のTom Greever(トム・グリーバー)は、緊迫したステークホルダーとの戦略会議をS会議(ステークホルダー会議)と称し、非デザイナーとの接し方、考え方、会議に向けての準備や予防策、その場での対処法やステークホルダーの分析などを自身の豊富な経験の中から実例を交えてS会議の成功法を解説していきます。

 

1章にて、若き日のTom Greeverが、ある企業への就職活動で、マーケティング担当副社長との最終面接のやりとりの場面が印象的でした。

 

副社長は、

 

私が新しいプロジェクトを始めて、あなたに発注しようか検討しているとします。あなたなら最初に何を訪ねますか?

 

という質問に対し、Tom Greeverは、

 

印刷物ですか?ウェブサイトですか?カラーですか?白黒ですか?〜省略、そのウェブサイトあるいは印刷物は、何ページになりますか?納期は?

 

に対し、副社長は、

 

それでは困りますね。一番最初に尋ねるべきは『何を伝えたいか』でしょう

 

この『何を伝えたいか』という核心的な一言こそが、デザイナーのエッセンスなのかなと思いました。

 


デザインの伝え方

 

1章の実例と一言を念頭に置いて読み進めると、後に続く本題であるステークホルダーとの有効なコミュニケーションの具体的な実例や解説が全て紐付けられながら理解できると思います。

 

この本は、対ステークホルダー対策というだけではなく、デザイナー自身が自分の役割の一つとしてコミュニケーションの大切さを認識でき、「基本的にクライアントやステークホルダーはわがままで面倒臭い」という印象を持っている人は、読み終えるとだいぶ考え方が変わってくると思います。

 

自分が中心となって先導していくプロジェクトであっても、それは単に立場上の役割なだけで、ステークホルダーからしてみればデザイナーもステークホルダーなわけで、自分だけが正しいという考えではいけない。という忘れがちだったスタンスにも気づく。

 

一歩会社を出れば、ステークホルダーもデザイナーと同じ人間。

 

非デザイナーがデザインに触れる機会といえば、インターネットやスマートフォンが登場する以前は、駅や電車内の広告、好きな美術展やライブのポスターやチラシ、書籍の体裁などでしたが、今やWebサイトにアプリといった日頃の生活や人生に欠かせないUIツールを操作しながら毎日デザインに触れているといえます。

 

なので、いまの時代は非デザイナーでも自分が触れてきたUIデザインの経験がそのまま意見となりやすいのだが(それは悪いことではない)、やはりコンバージョンへの導線や、プロジェクトの目的を見失いがちになってしまうのもクライアントであり、ステークホルダーであり、非デザイナーであり、さらに言えば同じ人間。

 

戦略的で意図的なデザインに対してのステークホルダーのブレを軌道修正し、合意や承認を得るのに必要なのがデザインを伝え方である。

 

ここまで読んでいただければ、Webディレクターの方が読んでも面白い本だと思ってもらえると思います。

 

Webディレクターにとって女房役とも言えるデザイナーとの接し方、そのデザイナーのデザインに合意し、クライアントへの説明やその場での軌道修正に挑むことを考えると、Webディレクターにもおすすめです。

 

ちなみに、別の方の書評でも書いてありましたが、この本は翻訳がとても丁寧で分かりやすく、ステークホルダーへの具体的な発言例などの語彙は、そのまま実戦でも使えるようになっています。

 

数あるUX/デザイン系のオライリー本の中でもかなりの良書。




UXデザインセミナー『UX Bridge vol.5』に行ってきました。

UXデザインセミナー『UX Bridge vol.5』



 

BtoB/BtoBtoCサービスにおけるUXをテーマにした勉強会『UX Bridge vol.5』に行ってきました。

 

去年の『UX Bridge vol.2』では、新人のデザイナーを連れて行くことが一番の目的でしたが、本人は補欠から繰り上がらず落選。叶わず。

 

しかし、今回は、去年連れて行けなかったデザイナーと、今年入社したばかりの新人デザイナーの2名を連れて参加することができました。

 

参加した動機

  • 前回同様、前線で活躍しているデザイナー、フロントエンジニア、プロダクトマネージャーといった様々な役割の方々の視点で、UXデザインの取り組みや考え方、ビジネス上でどのような価値をもたらしているか?といったお話が聞けること。
  • 自分が所属する組織・チームの各役割のメンバー達に、自分の立ち位置からUXデザインの価値を、僕の言葉ではなく、外部の方々からの言葉で知ってもらいたかった。

 

良いUXデザインをする為に必ず必要とされる事

良いUXデザインをする為に必ず必要とされる事

 

業務では主に自社サービスのUXとUIの改善業務を担当しているUI/UXデザイナーの大村真琴氏。

 

良いUXデザインをする為に必要とされる事とは、スタッフエクスペリエンスとのこと。

 

要は、ユーザーに対するUXを向上させるためには、まず自チームや組織に対してエクスペリエンスデザインを施してから、ユーザーに良いUXを提供する。

 

大村氏は、テモナ株式会社に参画した際に初めてそれに向き合ったそうで、組織、人、文化、業務フロー、思考というキーワードをあげ、スタッフエクスペリエンスを実施した例を紹介していました。

 

ディレクターとはUXにおける問題点・課題点をすり合わせ、双方に学びや意思疎通、共通認識を増やす話のほかに、エンジニアとのコミュニケーションをピックアップしていました。

 

以前のエンジニアさんは、改善指示に対し黙って従う傾向にあり、ここにUX/UIのことを知れる絶好の機会をエンジニアが逃していると危惧していたとのこと。

 

実案件の中で改善指示を出す際は(おそらく)プロジェクトの背景やゴール、UIを改善することの意図を説明し、勉強会などを行わなくとも意思疎通や共通認識を高めることができたそうです。

 

とても良いアイデアだと思ったのは、セルフユーザビリティテストの実施方法。

 

プロジェクトチーム以外の社内の人たちにセルフユーザビリティテストを実施する際、「バグコンテスト」という告知ポスターを作成。セルフユーザビリティテストを社内イベント化し、他部門の人たちには業務以外のタスクが増えるといった印象を払拭したアイデアはいつか真似したいと思いました。




エンジニアがUXをロジックで考えてみる

エンジニアがUXをロジックで考えてみる

 

株式会社サイバーエージェント AdTech Studioの折原レオナルド賢氏は、エンジニアらしいロジカルな視点で管理画面の改善にあたった話などをされていました。

 

A〜Eまでページを遷移するタスクがあった場合のタスク完了までのユーザーの迷い度を、

 

  • N:ユーザーがタスク実行中に閲覧した異なるページ数(ユニークビュー)
  • S:ユーザーがタスク実行中に閲覧したページ数(ページビュー)
  • R:ユーザーがタスクを完了するための最短ページ数
  • L:迷い度

 

として数式に表し、複数あるタスク完了までの各ルートの迷い度を導きだす話が印象的でした。

 

その他にも、カードソートの集計にクラスター・デンドログラム(たぶんクラスター分析)の説明など、個人的には折原氏の登壇が一番興味深く、もっと詳しく話を聞きたいと思いました。

 

UI/UX カイゼンチーム始めました

UI/UX カイゼンチーム始めました

 

株式会社SmartHRから、デザイナーの渡邉氏、フロントエンドエンジニアの渡邉氏の同じ苗字の2名が登壇。

 

UX/UIに強いメンバーでカイゼンチームを立ち上げた経緯に、

 

  • プロダクト専任のデザイナーがいない。
  • エンジニアがBootstrapでUIを決定していた。
  • 当時のリソース・フェーズだとそれが正解。

 

といったことをあげてて、同行したWebデザイナーと自チームでのあるある話すぎておもわず笑みがこぼれた。

 

様々な改善例を紹介していた中で、会員登録へのタスクが斜格的すぎて、会員登録までの道筋案内の問い合わせがユーザーから殺到した時の改善例がグッときました。

 

ドロップダウンメニューに隠れていた会員登録へのリンクをグロナビに置いただけでは問い合わせは減らなかったが、最終的に罫線で区切り、並列から分類したことにより問い合わせが激減した成功例。

 

マイクロコピーじゃないけど、こういった細部のちょっとした修正で改善される成功例はつくづく素晴らしいと思う。

 

もちろん両名とも試行錯誤の努力と情熱が前提にあるのですが、僕は色んな知識を蓄えすぎて難しく考えすぎるクセがあるのだと今回の話で認識できてよかった。

 

感想

今回もデザイナーとエンジニアの視点から色んな考え方や取り組みを聞けて面白かったのですが、UXというよりも比較的UIやユーザビリティの話が多いという印象を受けました。

 

しかし、ワークフローやチームビルディングにおいて、やはり自分たちの環境だけが恵まれていないというわけではなく、どの組織も様々な課題を抱えており、その問題解決への素晴らしい工夫を聞けて収穫になりました。

 

同行した新人デザイナー達にも、自チームの問題や、Webサイトの改善に対して意欲が湧いているのが帰り道に感じられた。

 

UX Bridge vol.5




 

企業と顧客の暗黙知の前提を導き出すギャップファインディング




 

UXにおいてバイアスを払い、コンテキストを理解し、ユーザーのインサイトを知ることは主眼点となっています。

 

ユーザーの真の欲求を検出し、問題を解決するために活用するカスタマージャーニーマップ。それにくわえて、ギャップファインディングという手法がとても興味深かったです。

 

それは、ユーザーの潜在価値を見いだしマーケティングをしていくうえでも効果的な手法なのだと先日参加したワークで実感しました。

 

B2Bブランディングセミナー 活用できるカスタマージャーニーの作り方~ギャップファインディングというアプローチ~

主催:株式会社 大伸社コミュニケーションデザイン

 

ギャップファインディングとは

異なった分野と比較し、アイデアを得る。

 

このセミナーでわかりやすく例に出されていたのは、救急医療のシーンとF1のピットインのシーン。

救急医療

F1のピットイン

 

目的と対象が違うまったく別の分野でも、こうやって見ると、どこか相似していることに気づきます。

 

問題に直面している事柄と、共通・相似したすでに成功をおさめている事柄とを照らし合わせることにより、ピタリと前者に後者の成功法が当てはまる可能性があるのでは。

 

ギャップとは

ギャップファインディングを実施するうえで、「ギャップ」=「暗黙知の前提」を理解する。

 

企業も顧客も、商品やサービスの既存の「仕組み」「形状」「存在価値」が当たり前の現状だと思い込んでいることが多い。よって、その商品やサービスを利用しているユーザーの潜在的な不満や課題・期待がカモフラージュされてしまう。

 

その企業と顧客が持つ強力なバイアスこそが「ギャップ」=「暗黙知の前提」であり、そのギャップをカスタマージャーニマップや、先述の異なったカテゴリーとの比較から導き出すのがギャップファインディング。




セミナーの内容

レクチャー

ここではブランディングや、カスタマージャーニーマップ作成のコツ、ギャップファインディングについてのレクチャーを聞く。

本記事では、ブランディングや、カスタマージャーニーマップの説明は割愛します。

 

ミッション

ここから実際にワークショップに入ります。

ペルソナであるうつ病の患者さん(40代男性)自身が期待すらできなかったギャップを埋める問題を抽出し、うつ病患者さんが笑顔になれるアイデアを考える。

 

ペルソナの読み込み〜カスタマージャーニーマップ作成

5〜6人でチームを組み、すでに用意されているペルソナのストーリーを各メンバーが頭に入れ、各プロセス毎にペルソナの感情、ゴールを書き記した付箋やカードを時系列に並べ、カスタマージャーニーマップを完成させていく。

 

ギャップファインディングの実施

ジャーニーマップから汲み取れる感情や行動の情報から、ペルソナが本当は何を求めていたのかを分析。

 

さらに別カテゴリー(分野)のイノベーションサービスが集約されたアイデア集が各チームに一時配布され、それらを参考に比較し、アイデアのヒントをみつける。

 

分析結果

ペルソナが何を求めているか?

このペルソナは、症状が出はじめた初期の段階から自分がうつ病であることをひた隠す感情を持ち、それに伴った行動を各プロセスでとっていたせいで、全てが裏目に出る泥沼の行進を歩むことになっていた。

 

そこに着目し、うつ病の予防や治療といった病気自体の対策よりも、それらをも包括した、うつ病を肯定するある種の世界観が思い浮かんできました。

 

そもそも、世間のうつ病自体に対する印象がいけないのでは?

 

「風邪を引いたので今日は会社を休みます・・」
「昨日から風邪を引いちゃってさ、まいったよ・・」
「風邪引きそうな気がする・・」

 

同じ病気なのに誰もがここまで気軽に人に主張できる病気「風邪」。

 

うつ病も、風邪のように気軽に人に打ち明けられるようにならないものか?

 

別カテゴリー(分野)との比較

主催の大伸社さんが用意してくださった膨大なアイデア集を眺めてても、限られた時間内でマッチするものが見つけられなかった。むしろ、自分の知らないイノベーションがこんなにもあるのだなと、職業柄、感心してしまっていた。

 

前段で汲み取れたように、うつ病は人々に受け入れがたい分野なのかもしれない。

 

人々に受け入れがたい分野・・・。
その分野が人々に受け入れらた過去の実例・・・。

 

僕は「オタク」が思い浮かんだ。

 

80年代、タレントの宅八郎のキャラクター性や、当時実際に起った悪質で悲しい事件により、オタクは「気持ち悪いやつ」「危ないやつ」というレッテルが貼られていた。

 

00年代に入り、2ちゃんねるや、電車男というテレビドラマや映画を中心に、オタクと呼ばれる人たちに明るいスポットが当てられ、聖地となった秋葉原を中心に様々なカルチャーが生まれる。

 

オタクは「気持ち悪いやつ」から「キモカワイイ」存在となり、やがて市民権を得て、今や先端性すら感じるようになった。

 

アイデアの創出

うつ病に対する世間のネガティブな印象を、ポジティブな世界へと変遷させることに着想してからは、オタク文化への成り立ちに照らし合わせることに限らず、様々な奇抜なアイデアがチーム内から産声を上げた。

 

ここからのスピード感はすごかったし、一番盛り上がりました。

 

その中でも僕はやっぱり、オタク文化への変遷がマッチした。さらに前述の通り、今さら語るまでもない効果の威力を兼ね備えた映画やドラマの放映という、新鮮味に欠ける施策も有りだと思いはじめました。

 

「新鮮味に欠ける」ということはある意味「確立されている」ということ。

 

プロジェクトとして進行する際、未知のプロダクトやサービスは、プロトタイピング、素早いリリース、そして評価などを繰り返す試行錯誤の開発期間がかかる。

 

プロジェクトの予算の問題は置いといての話ですが、

 

その点、映画やドラマはありきたりとも言えるけど、幾年も大衆に親しまれている媒体であるがゆえ、今さらユーザーの学習理解度(ユーザービリティテスト)の心配はないし、PRのノウハウ、制作の専門家も充実しているので、時間という資源の消費の節約ができるという見解に至った。

 

このセミナーで得たこと

ギャップファインディングのレクチャーを受けているとき、経済学者で日本大学准教授の安藤至大氏の言葉を思い出した。

 

世の中のいろいろな現象を突き詰めて考えると、一見するとまったく別のことなのに背景にあるメカニズムがよく似ている現象が見つかることなんです。

 

別の畑を覗くことが有効なのはどこかで学んだつもりではいたけど、今回のワークを通して、ギャップファインディングという確立されたフレームとして学べたのは収穫でした。

 

そしてギャップファインディングを行うには精度の高いペルソナやカスタマージャーニーマップが必要だということも(本ワークショップでのカスタマージャーニーマップ作成方法は割愛します)。

 

最後の一つは、
テクノロジーを駆使したイノベーションを起こすことにこだわる自分を取り払うことができたこと。

 

画期的なイノベーションを起こすことが目的ではなく、あくまで問題を解決することが目的なのだと。

 

今所属している組織のWebサイト上で、「手段はなんでもいい」なんてカッコつけた自分のコメントは、ただ”騙っていただけ”だったと気づき、恥ずかしい気持ちにもなってきました・・・。

 

大伸社コミュニケーションデザインさんは、多くのエクスペリエンスデザイナー、エスノグラファー、ストラテジストを擁する会社で、今回のような有用なセミナーを惜しみなく開催されています。

 

僕がクライアントだったら依頼してみたい魅力的な会社だと思いました。

 




 

ユーザーに行動を促す『ザ・マイクロコピー Webコピーライティングの新常識』




 

昨年、SNS上でお世話になっているWebディレクターの方が紹介していたザ・マイクロコピーという本を読んでみて、サイト制作の参考になった。

 

文字伝達情報である「コピー」は、様々な広告やWebサイト上に見られるけど、「マイクロコピー」とはどの部分にあたるのか。

 

マイクロコピーは、主にアプリやWebサイト内のボタン上やボタン付近といったCTAまわり、入力フォーム内などにあるユーザーに重要な行動を促すための少ない文字。

 

この本は、サイトのコンバージョンに左右するそういった細部のコピーライティングのノウハウを、数々のマイクロコピーの実践・ABテストをおこなって結果を出してきた著者の株式会社オレコンの山本琢磨氏が、豊富な事例と多くの図版を使用し、やさしく専門的に紹介している。


Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー

 

たった数文字にユーザーのコンテキストを考える。

一時期、ランディングページ制作においてコンバージョンポイント、コンバージョンエリアなどと呼ばれているエリアのデザインを研究していた時は、ボタンの大きさ、色や形、ボタンまわりの装飾や出現のタイミングといったことばかりに気をとられていました。

 

ユーザーの不安、懸念、疑問、迷いを払ってあげる、ちょっとした文章をCTAに添える、もしくはリライトすることでユーザーの行動は劇的に変わる。

 

コストがかかるデザイン変更や、HTML再構築といった改善実装の前に、ユーザーの前後関係、状況を見直した、たった数文字のリライトや文言追加で結果が変わるのがマイクロコピーの特徴だと思った。

 

マイクロコピーの力が発揮できるのはCTAまわりだけではない。

商品注文、問い合わせ、会員獲得といったところだけではなく、メニューやナビゲーション、ローディング画面、メール内などにも、その状況において適切な”思いやりの語りかけ”が有効。

 

わかりやすかったのが404ページのカスタム。404ページは、ユーザーが目的のページにたどり着けなかった際に「お探しのページは見つかりませんでした」と表示される、あの残念なイメージのページ。

 

ページが見つからないことを伝えるという常識的なことだけではなく、コンテンツにたどり着けなかったユーザーに対し、そこで行き止まりにさせないようにトップページリンク、サイト内検索、商品一覧といった道を作り、そしてモチベーションダウンさせない協力的な姿勢を示したコピーでインタラクションにつなげる。

 

上記のように、直帰率を下げるために404ページに工夫をこらすSEOテクニックが存在しますが、ここでの手法がマイクロコピーとの結びつきが強いことが証明されていた。

 

細部までこだわってナンボ。
何かしらの結果を出すUIとして機能しなければならないWebサイトの制作者に大変おすすめ。




 

デジタルマーケティングとエクスペリエンスの関係性と重要性




 

最近マーケティング戦略の分野に、UX/CXというワードが以前よりも目につくようになったと感じます。

 

さらに、Webマーケティングというワードよりも、デジタルマーケティングというワードの方が注目されている気もします。

 

「UX/CX」と「デジタルマーケティング」。それらの関係性はなんなのか?

 

例えばUXデザインとマーケティングは別ものと認識していますが、ビジネス、企業と消費者のより良い関係を築くために実施する手法としては共通していると思います。

 

ちょうど、それらを紐付けられそうなマーケティングセミナーを見つけたので行ってきました。

 

デジタルマーケティング時代を勝ち抜くためのマーケティング手法とICT活用とは

基調講演、講演1、講演2の全3部構成になっており、14:00〜17:30まで受講。

 

個人的にはこのイベントタイトルだけではあまり響かなかったのですが、基調講演のタイトルを見て申し込みました。

 

(僕みたいなのがターゲットじゃない講演なので、タイトルの批判をしている訳ではありません)

 

詳細ページ

 

講演項目

【基調講演】
~リアルの現場とデジタルのタッチポイントを融合せよ~デジタルマーケティング時代、顧客体験(CX)を提供できない企業は淘汰される
講演者:株式会社Nexal CEO & Bussiness Consultant 上島千鶴氏

 

【講演1】
デジタルマーケティングへの新たな視点』~ネットワークのチカラをフル活用~
講演者:シスコシステムズ合同会社 コーポレートビジネス事業統括 ビジネス開発本部 地方創生推進 担当部長 大野元嗣氏

 

【講演2】
デジタルマーケティング!!実現場ではこう使われている「Cisco Meraki」 の最新導入事例
講演者:ディーアイエスソリューション株式会社 第2事業部 パートナーソリューション2課 係長 藤重雄喜氏




デジタルマーケティングとエクスペリエンスの関係性と重要性

なにかにつけて「デジタル」という言葉に支配されがちな昨今ですが、実際は消費者と企業のコミュニケーション・チャネルでは、デジタルやインターネットとリアルが入り混じっている状態であり、もはや「デジタル」だけでは成り立っていないのが現状。

 

僕らWeb屋にWeb制作の依頼が来ても、Webサイトという成果物を作りあげることだけが求められているわけではないし、SEO対策、Webマーケティング以上の戦略を求められる時もあるので、その辺は特に実感しています。

 

俯瞰的に見つめると、ユーザーとデジタルデバイスのタッチポイントばかりに気を配っていたのでは顧客の満足度向上は難しい。

 

そこにはやはりUX、CXといった「体験」が重要視される。

 

上島千鶴氏は、詩人のマヤ・アンジェロウの

人は最後に記憶に残るのは言葉ではなく感じたこと、体験で得られた感情である。

という言葉を挙げ、体験の重要性を述べていました。

 

そして、体験で消費するのは何より時間。「今はお客さんの時間の奪い合いであり、そういった意味では違う異業種でも競合」という上島千鶴氏の言葉に納得しました。

 

藤重雄喜氏も、旅館での事例と体験談を元に体験と時間の重要性を言及。

 

スタートアップを見ても、10数年前に比べると大幅に時間の短縮ができるようなイノベーションを起こしていますし、ユーザー、顧客にとって素晴らしい体験(時間)を用意することはマストと言える。

 

上島千鶴氏や大野元嗣氏は、建設中の橋桁同士が繋がっていないイメージ画像を例に、組織の各部門の連携が取れていないことを懸念しており、これからはIT部門とマーケティング部門などがガッチリと統合し、組織全体が協働することが大切だと述べていました。

 

今回、上島千鶴氏の基調講演が一番の楽しみだったのですが、全講演を通して色々な知見を得られ、とても勉強になりました。

 

これがユーザーの事前体験期待値を超えるCustomer Delightというやつですね。

 




 

資格も取得できるUXDT:【第5回】セルフユーザビリティテスト検定講座

セルフユーザビリティテスト検定講座:UXDT

ユーザーが自身の目標を認識し、その目標を達成するまでの長いノープランの旅の途中で立ち寄る可能性があるWebサイト。

 

そのWebサイトにて、ユーザーの理解・操作をスムーズにしてあげるためのユーザビリティ。

 

2017年11月17日、UX DAYS TOKYO主催の【第5回】セルフユーザビリティテスト検定講座に行ってきました。




 

参加した動機

  • セルフユーザビリティテストの知識が学べる。
  • ワークショップでセルフユーザビリティテストを体験できる。
  • 試験が受けられ合格すると資格を取得できる。
  • 内容の割に安い(と、あとで思った)。

 

ユーザビリティテストは、ローンチする前や改修前に、対象となる被験者(ユーザー)を呼んできて、画面操作を行ってもらい課題を洗い出す重要な工程なのですが、プロジェクトによっては予算とスケジュールの関係で、実際に行えることが難しい実情があります。

 

とはいえ、どんな規模感であれ、Webサイトは人に利用してもらうプロダクトには間違いないので、最低限は自分たち(制作サイド)で、導線確認・操作テストを行い課題を見つけなければなりません。

 

自チームで行うユーザビリティの評価、それが”セルフ”ユーザビリティテスト。

 

イベントの大まかな流れ

  1. 座学(スライドを用い講師によるレクチャー)
  2. テスト(オンラインによる選択式・筆記テスト)
  3. 実践(チームでセルフユーザビリティテストの実査)
  4. 発表(実査で発見した課題の発表)
  5. 余談(講師による事例など)
  6. 懇親会(お酒、オードブル、名刺交換)

 

セルフユーザビリティテスト検定講座

座学

講師によるスライドを交えながら、ユーザビリティテストの必要性、有効性、種類、基本概念の知識を学ぶ。

 

ここでは、ユーザーを呼んできて被験者になってもらうユーザビリティテストを行えなくても、自チームでセルフユーザビリティテストを実施するだけでもWebサイトの品質に大きく差が出ることを認識しました。

 

テスト

座学のあと、Google Forms上で全10問のテストが受けられます。

  • 選択式9問
  • 筆記1問
  • 制限時間10分程度

 

基本的に座学の内容から出題されます。選択式とはいえ、引っ掛けが潜むので落ち着いて回答。

 

このテストに合格すると、UXDT公認ライセンス(民間資格)が取得できます。

 

合否発表通知は1ヶ月以内とのこと。

 

実践と発表

国内の有名な某運送会社と某酒類販売店のサイトを用い、近くにいる人と3人でチームを組み、被験者、モデレーター、記録係りに分かれてセルフユーザビリティテストの実査。

 

某運送会社では、僕は記録係りを担当しましたが、被験者とモデレーターの対面の位置に座ってしまったため、実際画面上で何が起きているのか解らず、被験者の思考発話を頼りにただの書記と化してしまいました。

 

某酒類販売店の時は、僕は被験者となり、当日の20時に冷えたビールを1ケース注文するタスクをこなすことに。いざ。

 

ユーザビリティテストのタスク

 

商品をカートに入れるところまでは進めましたが、フォーム入力でつまづく。

 

全体的に進めにくく、理解しにくい非常に非効率的なサイトの作に、同じチームのモデレーター役と記録係り役の方々と失笑。

 

そのあと、課題・問題の発表を行うのですが、それぞれのチームから様々なテスト結果が発表されました。

 

ツッコミどころ満載な両サイトだっただけに、笑いも起きながらの発表でしたが、これはプロジェクト完遂を目指す制作者側の立場だったら身も凍る結果だと思いました。

 

懇親会

イベント詳細ページには記載されていなかったけど、受講のあと懇親会が始まります。

 

ビール、焼きそば、オードブルなどを出していただき大満足。

 

今回、ディレクター、マーケターの方は10名ほど参加されており、僕はアプリエンジニア、フロントエンドエンジニア、Webデザイナー、プロデューサー、プロダクトオーナーの方々とお話ができ、ユーザビリティは様々な役割の人にとって重要視されていることを感じました。

 

感想

参加前から人気のイベントだと感じていましたが、セルフユーザビリティテストの実施体験や知識を得ることができ、試験を受けて合格すれば資格も取得できる充実した内容。

 

懇親会費、資格の受講費込みの参加費3,000円でかなりお得な時間が過ごせました。

 

UX DAYS TOKYOは、UX関連のイベントを開催しているので、UXデザインのお話も交えつつ、セルフユーザビリティテストの正しい心持ちとスキル、配慮すべきノウハウを学べます。




 

子どものUXデザイン 遊びと学びのデジタルエクスペリエンス




 

調査や行動観察・分析などを行い、利用者のことを先回りして理解し、製品やサービスとユーザーの接点に良い体験をしてもらう。

 

その貴重な時間を有効的に体験してもらうのは何も大人だけでなく、子どもに向けた製品・サービスにもいえます。

 

日々、テクノロジーとともに年々進化しているデジタルネイティブな将来の宝たちのためにも。

 

こんな人たちにオススメの本

  • とにかくUXデザインに興味がある人
  • 教育関係者
  • 0〜12歳までのお子さんを持つ親
  • 玩具メーカーのプロダクトデザイナー
  • 子ども向けテレビ制作チームの人

 

「UX」「エクスペリエンスデザイン」というワードに敏感に反応してしまう人は、この本のタイトルを見ただけでも興味が湧くと思います。

 

本来、子ども向けのアプリやWebサイト制作に携わる人たちに特化した本ではありますが、子どものためのUXの知見は、玩具や子ども向けテレビ番組制作などにも大いに役立つのではないかと思いました。

 

また、僕の場合ですが、Web制作者という立場とともに、いつの間にか親の気持ちになって本書を読み進めており、我が子への考え方、教育・子育てについても感慨深い気持ちになりました。

 

子どもというユーザー層の正体

実際に子ども達にWebサイトやアプリを開発するとしたら、自分だったらどうデザインするのか?

 

子どもをターゲットにしたデザインをするには、大人向けと比べたら「恐らくこう違うだろう」といった漠然とした注意点が予測できると思います。

 

例えば、

  • とにかくカラフルにすればいい。
  • 単純な構造にすればいい。
  • マウスオーバーなどフォードバックを大げさにすればいい。

 

以上のように、相手が子どもだからといって見下した姿勢で大人版よりも手を抜く感覚で臨むと、痛い目に逢うことが読み進めていくうちに分かってきました。

 

第3章では心理学者のジャン・ピアジェの認知発達理論という学術をもとに、子どもの発達の段階構造が記されています。

 

子どもは大人よりも知的能力が”低い”のではなく、年齢ごとに”もの事の捉え方が違う”そういう段階なのだそうです。

 

これを理解・認識せず、大人版よりも”楽”に考えてデザインをするとうまくいかないどころか、堂々巡りの泥沼化に陥る可能性が高いと思いました。

 

子ども向けに限らないUXデザインの考え

数あるUX本の中でも子ども向けに特化した本なのですが、大人と共通のデザイン思想も紹介されています。

 

ゴール(目的)に不釣り合いだったり的外れなデザインではなく、デザインパターンに一貫性を保つ。

 

支払い処理後に、類似商品を表示させるのではなく確認画面に遷移させるといった、操作をしていくうえで期待に添えた動きをさせる。

 

このように、UIに接している時の「安心感」を大事にすることは、子どもにも大人にも共通といえるそうです。

 

また、観察・分析なども共通の実施項目といえますが、子どものUXデザインは大人向け以上に力を注技、注意を払うフェーズだと思いました。

 

子どものUXデザイン ―遊びと学びのデジタルエクスペリエンス

読み終えた感想とまとめ

注目すべきは、全12章中、5章分が、2歳おきに子ども向けのデザインパターン、原則、性質、技法、サイトやアプリの実例、リサーチ及びテストの効果的な実施方法で構成されており、各年齢ごとに考慮しなければならないUXデザインの重要な点を知ることができます。

 

全体的にはデザイン面だけでなく、子どもにつきもである親への対応、子どもに降りかかるネット上の脅威といった注意点も含め、子ども向けのアプリやWebサイトを作るうえで知っておいた方が良い知見が網羅されています。

 

しかし、著者はアメリカ人で、欧米の子どもを基準とした内容となっているため、全ての注意点が日本で通じるとは限りません。例えば、デザイナーの法的義務のことも、あくまでアメリカの場合だったりします。

 

また、大人と共通の知見も得られますが、タイトルの通り子ども向けのアプリやWebサイトのUXデザインに特化した本なので、UXデザインをもっとワイドレンジに学習したい人向けだと思いました。

 

とはいえ、自分にとって「子ども」という今まで未知だったユーザー層と、その対応の仕方を理解できたので、読んでよかったと思います。

 

Webサイトやアプリを利用するユーザー(人間)は、何も大人だけではない時代ですので。




 

UXデザインセミナー『UX Bridge vol.2』に行ってきました。

『UX Bridge vol.2』に行ってきました。



 

追記:2017年11月18日
スピーカーをされた伊東氏、布目氏のスライドを追加しました。

 

追記:2017年11月1日
スピーカーをされた右田氏、宮下氏、佐伯氏のスライドを追加しました。

 

2017年も終わりに近いですが、ようやく今年初のUXデザイン系のセミナーに行けました。

 

BtoB/BtoBtoCサービスにおけるUX勉強会『UX Bridge vol.2』

 

UXデザインに対して価値観が高くない新入社員のひよっこWebデザイナーを連れて行くのが最大の目的でしたが、人気のイベントだけあって自分だけが抽選に当選。

 

最近UXデザイン系のセミナーは盛んに行われているので、日程が合えば今度こそ連れて行こう。

 

参加した動機

前線でご活躍されているデザイナー、フロントエンジニア、プロダクトマネージャーの方々の視点で、取り組みや考え方、UXデザインがビジネス上でどのような価値をもたらしているか?といったお話が聞けるとのことで興味が湧きました。

 

自分自身のためでもあるのですが、やはり自分が所属する組織・チームの各役割のメンバー達に、自分の立ち位置からUXデザインの価値を知ってもらいたかった。

 

残念ながら結果的に行けたのは僕だけでした。しかも天候も体調も最悪な2017年10月25日に。

 

サービスの転換期とUX改善

プレイド 右田氏:サービスの転換期とUX改善

右田氏は、自社サービスの大規模UX改善の失敗談と軌道修正の経験を具体的に紹介されていました。

 

(余談ですが、個人的に、失敗〜軌道修正にプロジェクトの美学を感じます)

 

機能もクライアントも多様になりUIが散見したので、UIのサマリー要素を強化したものの、「社内に改善の意図がしっかりと伝達されていなかった」「大幅な画面構成の変更」「ユーザビリティテストの未実施」などにより、改修後に混乱を招いたそうです。

 

組織・チームが行動の目標に対し共通認識を持ち、ドッグフーディング、メンバー間でズレをすり合わせ、ユーザーテストをしっかり試みて現在も改善中とのこと。

 

セルフユーザビリティテストは、自チームでも実施していますが、当初は「デザイン思考はチームみんなで仲良くやる」という個人的な印象のもと、みんなで和気あいあいと代わる代わるデバイスを操作しながら進めてザルになってしまい失敗した経験があります。

 

右田氏も提言していましたが、声が大きい人の固定観念で左右が決まってしまい、声の小さい人の貴重な意見や考えが埋もれていくことを注意喚起していました。

 

それにしても失敗談はとても価値があると改めて思いました。

 

右田氏のスライド

 

これまでとこれからの広告UX

Repro 宮下氏:これまでとこれからの広告UX

宮下氏は、YouTubeがスキップできない30秒動画広告を2018年に廃止することや、Chromeが広告ブロック機能の追加をすることを取り上げ、広告においてのUXでは、ユーザー体験を妨害されるような広告はマイナスなることを指摘。

 

また、これからの広告UXの特徴として、ネイティブ広告、広告内でゲームができるプレイアブル広告、ダイナミックリターゲティングなどを挙げていました。

 

ユーザーの目的遂行に「待った」をかける広告が排除される。
アドテクノロジーの進化に注目。

 

以前に読んだことがある「子どものUXデザイン ―遊びと学びのデジタルエクスペリエンス」という本にも、8〜10歳くらいの年齢から広告を嫌い、信用しなくなり、子どもはエクスペリエンスを見捨てる可能性があると指摘されていました。

 

子どものUXデザイン ―遊びと学びのデジタルエクスペリエンス

 

自分もスキップできない動画広告やポップアップするような強制的に足止めを食らうインタースティシャル広告が死ぬほど嫌いですが、適度に目的の邪魔にならない広告ならばいいのかなと思います。

 

結局はユーザーのその時の気分。

 

単純な行動理論では予測できない感情の起伏も考えられるので、広告のUXは難しそうなイメージが残りました。

 

宮下氏のスライド

 

UXとCS(カスタマーサクセス)

弁護士ドットコム 佐伯氏:UXとCS(カスタマーサクセス)

佐伯氏は、デザイナーの立ち位置から見たUXについての心境の変化から説明されていて、UIを通した狭義的なUXにフォーカスしがちだったとのこと。うちのWebデザイナーもその傾向にありました。

 

UXの考え方について、IDEOのティム・ブラウン著:「デザイン思考が世界を変える」に記されている、ボストン→ニューヨーク→ワシントン間を走る高速列車サービスの交通改善のCX、カスタマージャーニーの重要性を例として挙げていました。

 

デザイン思考が世界を変える
著:ティム・ブラウン
(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

僭越ながら、僕もこの本で色々なことに気づかされ、かなり影響を受けました(3冊買って人に配るくらい)。

 

そのCXやカスタマージャーニーと話が繋がりますが、本題にあるCSとはカスタマーサポートではなく、カスタマーサクセスのこと。

 

カスタマーサポート

ユーザーから問い合わせが来た時に対応する受動的な「リアクティブ」

カスタマーサクセス

調査やデータ分析をして、問題が起きそうなところに能動的に働きかける「プロアクティブ」

 

上記でどちらがUXの考え方に近いかといったら後者。

 

たしかに、CS(カスタマーサクセス)は、UXと同意義に感じました。

 

CS(カスタマーサクセス)のことを詳しく知りたいという方に、馬田隆明氏のスライドを読むことを勧めておりました。

Takaaki Umada presentations | SlideShare

 

セミナーでは紹介されていませんでしたが、馬田隆明氏の著作物で、「逆説のスタートアップ思考」という本もおすすめです。

 

逆説のスタートアップ思考
著:馬田 隆明
(中公新書ラクレ 578)

 

「サービスのUXに課題を感じたらCSを思い出す!」

 

なるほど納得しました。

 

佐伯氏のスライド

 

コンセプト設計におけるUXデザイン

ProfitMakers 布目氏、伊東氏:コンセプト設計におけるUXデザイン

何年か前に、Schoo(だったか)でWebディレクターの田口真行氏もおっしゃっていたのを思い出しましたが、

 

「UX」は、バズワードになるずっと以前から、当たり前のように行われてきたこと。布目氏もこのように述べていました。

 

そして以下、業務の緊急やりとりが発生し、講義に集中できなくなる・・・。

 

さらに体調が悪化。

 

なんとかメモれたのがこれ。

 

よくあるWEB系事業の設計

模倣するサービスの調査→UX設計→UI設計

本来あるべき事業の設計

CI設計→コンセプト設計→UX設計→UI設計

 

製品自体にも、パッケージにも、什器POPにも、販路にも、コンセプトは最後まで付いてくるもの。それは、WEB系のサービスにも言えるでしょう。

 

 

感想・まとめ

登壇者の話は各々20分程度ですが、無料でここまで具体的で様々な内容を聞けてお得だなと思いました。

 

UXデザインの概念に関しては登壇者の方々は共通認識を持たれていましたが、各々のUXデザインにおける取り組み、失敗談、改善方法、専門的なフィールドに絞った知見を得ることができ、とても勉強になりました。

 

【先着枠追加】UX Bridge vol.2