「ロシアの装丁と装画の世界」図録




 

先日行ってきた「ロシアの装丁と装画の世界」展の図録です。展示会場の「えほんやるすばんばんするかいしゃ」で購入しました。

 

「ロシアの装丁と装画の世界」展の記事

 

「今後、こんな沢山の旧ソ連時代のロシアの本を譲り受ける事はないと思うので、今回の展示に合わせ何らかの形として残しておきたかった。」

 

と、本展示会の主催者であり、本書の発行人である「えほんやるすばんばんするかいしゃ」の店主様からお話を聞きました。

 

その時、(ナイス偉業!)と僕は心の中で叫びました。

 

この図録はアートブックとして楽しめ、デザイン参考書としても有用であり、旧ソ連時代ロシアの書物の装丁画図版がこれだけまとまった数でなかなか見る事ができない、それだけ貴重な資料でもあるのです。

 

 

これだけでもかなりの点数の図版が掲載されていますが、僕は欲を出して「シリーズ化したら次も買いますよ!」と言ったら、「本は相当な数があるので、当初、表紙と見返しを別々に集約する案もありましたが、それぞれが単調な内容になる可能性があるため、今回1冊にまとめました」とおっしゃってました。

 

この図録を見終わった今さっき、(ナイスUX!)(ナイス組版!)と僕は心の中で叫びました。

 

 

表紙画と見返し画はページ毎にランダムに掲載されており、その変化のお陰で飽きないどころか、ページをめくる度にワクワク感もあります。

 

表紙の図版にはドロップシャドウが掛けられていて作品が際立っています。

 

スズキコージさんっぽい雰囲気と力強さを感じる見返し。

 

SF系の本?ストレンジサイケポップっぽいアートワーク。

 

一瞬、真鍋博さんのイラストかと思った。

 

撮影と掲載のお許しをいただいたので、気づいたら30枚くらい撮っていました。載せたい図版が沢山あるのですが、キリがないのでここまで。あとは買ってからのお楽しみです。



本文中に文字は奥付手前のあとがきのみで、オールカラーの図版のみ。各図版には、その本のタイトルやクレジットといった情報は一切ありません。

 

「ロシアの装丁と装画の世界」展の記事でも個人的な意見として書きましたが、この展示の魅力は、中身の内容(情報)ではなく、自分が気になった魅力的な表紙や見返しから感じとる個人の「自由な想像」にあると思います。したがって、この図録もそういった情報が不要だと思うのです。

 

以下「えほんやるすばんばんするかいしゃ」より引用:

■タイトル: ロシアの装丁と装画の世界
■発行年: 2017年 5月20日発行
■発行 / 編集: えほんやるすばんばんするかいしゃ
■サイズ: 14.8cm×21.0cm
■ページ数: 128ページ
■無線綴じ(ソフトカバー)/カバー付き
■カバー / 本文: オフセット印刷
■掲載内容

展覧会「ロシアの装丁と装画の世界」の
図録として製作した冊子です。
表紙と見返しの図版のみで構成されています。
本のタイトル、著者名、画家名、発行年などの
文字情報の記載は一切ありませんのでご注意ください。

■図版掲載数:278点

< 内訳 >
・表紙(裏表紙、背表紙含む):200点
・見返し:78点

 

展示場で販売してますが「えほんやるすばんばんするかいしゃ」のECからでも購入できます。
http://rusuban.ocnk.net/product/8764

※発行部数は現時点で不明。

 

発行人の「えほんやるすばんばんするかいしゃ」店主様の試行錯誤と葛藤のお陰で図録も展示も素晴らしい体験ができました。