『逆説のスタートアップ思考』から学ぶ




 

タイトルから見てとれるようにスタートアップに関する本ですが、そのスタートアップの本質が「逆説」や「反直観的」という言葉の中に隠されています。

 

ベンチャーと混同している人にとっても、スタートアップの正しい解説から始まるので、起業家でない人でも、著者が主張する素晴らしい思考へと読み進めやすいと思います。

 

実際、起業をする予定がないWeb制作畑の僕も読んで良かったと思いましたし、知り合いのマーケターも絶賛していました。

 

スタートアップの成功に必要な様々な要素の中で、本書は「アイデア」「戦略」「プロダクト」の3つに焦点を当てており、3章の「プロダクト」で、個人的に共感する考え方が紹介されていました。

 

逆説や異端という言葉は音楽や漫画が好きだった学生時代の頃から意識しており、大勢が熱中している既に世にありふれたモノやコトには興味が湧かなく、ニッチでマニアックでマイノリティなアンダーグラウンドなモノ・コトの方が新鮮でオリジナリティがあり面白さを感じ、さらにそれらが徐々に大衆に広まっていき、メジャーになっていく様を見て優越感に浸っていた性格の悪い時期がありました。

 

3章の「プロダクト」では、多数の「好き」より少数の「愛」を。という扉で始まり、スタートアップではスケールしないことを勧めています。

 

規模を拡大せず、未成熟でも製品・サービスをローンチしてしまい、創業者や開発者たち自ら早期の段階で検証に入り、大切な注意点を発見し、ブラッシュアップする。

 

そして、ある意味で共感者・ファンとも言える初期の少数ユーザー・カスタマーとも近い距離で接することができ、企業と製品・サービスに対する信頼の獲得と絆を深めることができる。

 

やがて少数のユーザー・カスタマーはエバンジェリスト(支持者)となり、美しい波紋状の広がりを見せる可能性があると思いました。

 

ではニッチなモノを作ればいいのか?というわけでもありません。

 

スタートアップにアイデアは重要な出発点となりますが、そのアイデアは「考え出す」のではなく「気づく」ものだと説いています。

 

これはスタートアップ思考に限らず、モノ・コトを作ることに関わる全ての人にとっても大事なことだと感じました。

 

序文で、「この考え方は企業全般に当てはまるものではありません」という注意が書いてありますが、この逆説のスタートアップ思考の知識・考え方は、様々なことに応用できることだと読み進めるうちに気づきました。

 

就職活動前の新卒者、起業家のみならず、全てのビジネスパーソンにオススメの本。

 

また、文中でも紹介されていましたが、著者の馬田隆明氏はスライドも公開しており、こちらも必見です。

 

 




 

『デザインの次に来るもの』とは




 

年末になってやっと今年(2017年)発売された書籍のことを書きます。

 

デザイナーとは、色やカタチを成形する人なのか。

デザイナーとは、問題を解決する人なのか。

 

といったジレンマに陥る昨今、ビジネスにおけるデザイン・デザイナーの定義は広くなっており、その重要性は日本の多くの中小企業に浸透しきれていないのが現状(ネタバラしすると、それは我が国だけの問題ではない)。

 

さらに僕のまわりではデザイナー達が自身自分の肩書きの意味に解釈の違いがあり、自分の守備範囲はどこまでなのか?と戸惑っている様子も見受けられます。

 

デザインとは?デザイナーとは?というような本は時代々々で出版されてきましたが、この本は近年のビジネスにおけるデザイン・デザイナーの状況がまとめられており、そこには当然のごとくデザイン思考の話も出てきます。

 

その日本でも注目されてきているデザイン思考は果たして万能なフレームワークなのでしょうか。

 

UCD(人間中心設計)が包括するデザイン思考が機能しにくい条件を踏まえ、ミラノ工科大学のロベルト・ベルガンティ教授の著書『デザイン・ドリブン・イノベーション』で提唱された概念であり、デザイン思考とは対をなすデザイン戦略「意味のイノベーション」という価値の詳しい解説がされています。

 

当初、デザイン思考以外でのデザインマネジメントに興味が湧きこの本を読んでみたのですが、先述したように近年のデザインの状況・デザイナーの動向や、なおかつ、アーツ・アンド・クラフツ運動、ドイツ工作連盟、バウハウスといったデザインの歴史・変遷にも触れているので、やはりデザイン・デザイナー自体の力に興味があり、デザインのことを知りたいと思っている中小企業の起業家・経営者といったビジネスパーソンに向けかと思います。

 

もちろん、ビジネスやイノベーションと、デザインをすでに横並びに考えている人たちにも有用な内容ですし、違った視点でレビューすると下記のこんな人たちにオススメです。

 

  • 一応なんとかデザイナーだけどデザイン・デザイナーのことを深く知りたい人。
  • デザイン思考ってどうなの?と思っている人。
  • Webディレクター(僕)。

 

最終章では著者の一人、 八重樫文氏がこの本のタイトル「デザインの次に来るもの」に対しての説明で幕を閉じていますが、そこにはデザイン云々、企業人として当たり前に持つべき視点が込められていて深くうなずきました。

 

余談ですが、うちに会社見学にくる若いデザイン専門学校生に、バウハウスやデザイン思考のことを聞いても知らない人たちばかりで毎回ビックリしています。

 

デザイン専門学校では、センスの磨き方とかツールの使い方といった小手先のテクニックしか教えていないのでしょうか。




 

子どものUXデザイン 遊びと学びのデジタルエクスペリエンス




 

調査や行動観察・分析などを行い、利用者のことを先回りして理解し、製品やサービスとユーザーの接点に良い体験をしてもらう。

 

その貴重な時間を有効的に体験してもらうのは何も大人だけでなく、子どもに向けた製品・サービスにもいえます。

 

日々、テクノロジーとともに年々進化しているデジタルネイティブな将来の宝たちのためにも。

 

こんな人たちにオススメの本

  • とにかくUXデザインに興味がある人
  • 教育関係者
  • 0〜12歳までのお子さんを持つ親
  • 玩具メーカーのプロダクトデザイナー
  • 子ども向けテレビ制作チームの人

 

「UX」「エクスペリエンスデザイン」というワードに敏感に反応してしまう人は、この本のタイトルを見ただけでも興味が湧くと思います。

 

本来、子ども向けのアプリやWebサイト制作に携わる人たちに特化した本ではありますが、子どものためのUXの知見は、玩具や子ども向けテレビ番組制作などにも大いに役立つのではないかと思いました。

 

また、僕の場合ですが、Web制作者という立場とともに、いつの間にか親の気持ちになって本書を読み進めており、我が子への考え方、教育・子育てについても感慨深い気持ちになりました。

 

子どもというユーザー層の正体

実際に子ども達にWebサイトやアプリを開発するとしたら、自分だったらどうデザインするのか?

 

子どもをターゲットにしたデザインをするには、大人向けと比べたら「恐らくこう違うだろう」といった漠然とした注意点が予測できると思います。

 

例えば、

  • とにかくカラフルにすればいい。
  • 単純な構造にすればいい。
  • マウスオーバーなどフォードバックを大げさにすればいい。

 

以上のように、相手が子どもだからといって見下した姿勢で大人版よりも手を抜く感覚で臨むと、痛い目に逢うことが読み進めていくうちに分かってきました。

 

第3章では心理学者のジャン・ピアジェの認知発達理論という学術をもとに、子どもの発達の段階構造が記されています。

 

子どもは大人よりも知的能力が”低い”のではなく、年齢ごとに”もの事の捉え方が違う”そういう段階なのだそうです。

 

これを理解・認識せず、大人版よりも”楽”に考えてデザインをするとうまくいかないどころか、堂々巡りの泥沼化に陥る可能性が高いと思いました。

 

子ども向けに限らないUXデザインの考え

数あるUX本の中でも子ども向けに特化した本なのですが、大人と共通のデザイン思想も紹介されています。

 

ゴール(目的)に不釣り合いだったり的外れなデザインではなく、デザインパターンに一貫性を保つ。

 

支払い処理後に、類似商品を表示させるのではなく確認画面に遷移させるといった、操作をしていくうえで期待に添えた動きをさせる。

 

このように、UIに接している時の「安心感」を大事にすることは、子どもにも大人にも共通といえるそうです。

 

また、観察・分析なども共通の実施項目といえますが、子どものUXデザインは大人向け以上に力を注技、注意を払うフェーズだと思いました。

 

子どものUXデザイン ―遊びと学びのデジタルエクスペリエンス

読み終えた感想とまとめ

注目すべきは、全12章中、5章分が、2歳おきに子ども向けのデザインパターン、原則、性質、技法、サイトやアプリの実例、リサーチ及びテストの効果的な実施方法で構成されており、各年齢ごとに考慮しなければならないUXデザインの重要な点を知ることができます。

 

全体的にはデザイン面だけでなく、子どもにつきもである親への対応、子どもに降りかかるネット上の脅威といった注意点も含め、子ども向けのアプリやWebサイトを作るうえで知っておいた方が良い知見が網羅されています。

 

しかし、著者はアメリカ人で、欧米の子どもを基準とした内容となっているため、全ての注意点が日本で通じるとは限りません。例えば、デザイナーの法的義務のことも、あくまでアメリカの場合だったりします。

 

また、大人と共通の知見も得られますが、タイトルの通り子ども向けのアプリやWebサイトのUXデザインに特化した本なので、UXデザインをもっとワイドレンジに学習したい人向けだと思いました。

 

とはいえ、自分にとって「子ども」という今まで未知だったユーザー層と、その対応の仕方を理解できたので、読んでよかったと思います。

 

Webサイトやアプリを利用するユーザー(人間)は、何も大人だけではない時代ですので。




 

心理的戦略、たのしいプロパガンダ




 

プロパガンダという言葉が目に入ると何か物々しさを感じて今まで敬遠していましたが、ポップなタイトルと表1のデザインを見て思わず購入。

 

大日本帝国軍の「思想戦」で陸軍省の清水盛明中佐が、「宣伝は楽しくならなければならない」と説いていたことから章が始まります。

 

その大日本帝国、ナチドイツやソ連やアメリカなどの欧米諸国、北朝鮮や中国や韓国といった東アジアの近隣国のプロバガンダ戦略、そして国内外の宗教組織のプロバガンダ戦略、最後に日本国の政策芸術というパートで構成されており、「プロバガンダとは威圧的に押し付けるものではなく、娯楽などの楽しみや感動の中にメッセージ性を仕組む心理的戦略」だということを過去の実例をもとに紹介。

 

過去に実行されてきたプロバガンダ戦略の歴史を知り、現代の我が国日本で、もし国民に対してそういった思想実験が行われていたら、それに気づけるよう注意喚起をしている本です。

 

時の権力者・独裁者たちが様々なチャネルで実践してきた一般大衆や敵に思想を刷り込むテク。

 

プロパガンダ=「宣伝戦」だけに、予想以上にマーケティングなど自分の業務にも役に立つ本でした。

たのしいプロパガンダ
著者:辻田真佐憲
出版社:イースト・プレス

 

どの組織(国・軍)も、やはり民衆を主にメインターゲットとしていますが、反勢力(国・軍・団体)に向けても戦略を実行していることを知りました。

 

これについては、普段UXとかCXといったユーザーや顧客だけに意識を向けて戦略設計をしていることに対して、競合他社など対外的にも有効なのでは?と思い始めました。

 

競合を「巻き込む」といった点では、真っ先にキュレーションサイト戦略などが思い浮かびましたが、この本には別のアプローチによるヒントが隠されているような気がしました。

 

競合にもターゲットユーザーにも、いかに影響を与えるか。

 

この本ではそれを「楽しくなければならない」と提唱していますが、その「楽しさ」をどううまく使うかを考えるだけで、この本を読んだ人にとっては新しいアプローチへの発想がひらめくかも知れません。

 

また、独裁的政治活動や戦争のためとはいえ、昔から行われてきたターゲットの趣向に合わせた展開戦略、メディア戦略、セルフプロデュース、セルフブランディングなども参考になりました。

 

セルフプロデュース、セルフブランディングでは、どんなに論理的でもっともらしいことを提唱しても、伝える側や表現をする側が威圧的・高圧的な態度では説得者として不利になりかねないこと。

 

最後に、どうやって自然な流れでユーザーに認知しても、共感してもらい、行動してもらい、伝播させていくか。

 

という日々の考察のもと、今までは色んなクリエイティブやエンタメに注意を払ってきましたが、これからはこれらに加え、その裏腹にはプロパガンダが刷り込まれているのではないか?という警戒心も芽生えてきました。

 

たのしいプロパガンダのお勉強終了。




 

インフォグラフィックで見る138億年の歴史:宇宙の始まりから現代世界まで




本屋で人類学のコーナーを物色していたら発見。これだから読書はやめられない。

 

インフォグラフィックとは、情報を視覚的に表したもので、今やグラフィックデザインには欠かせない表現方法の一つです。グラフなどがわかりやすい例ではないでしょうか。

 

当然Webデザインでも多く活用されており、データに動きをつけて可視化するD3.jsのようなJavaScriptライブラリも存在します。

 

この書物は、ビックバンから現代までに起きた出来事をインフォグラフィック化したもので、様々な分野の専門家の協力を経て、ほぼ一人のデザイナーが90点以上に及ぶインフォグラフィックをデザイン。

 

テーマは「人類誕生以前」「文明以前」「1900年くらいまで」「現代」と大きく4段階に分かれています。

 

時代が進むにつれ、ページ内で使われている色数が多くなり、デザインも今風に変化していくコンセプトが、読み進めるにあたりとても面白いと思いました。

 

「宇宙はいつ誕生したのか?」

 

に始まり、

 

「人類はどのように世界に広まったのか?」

「技術革命はいつ起きた?」

「古代文明は何を発明したのか?」

「どんなふうに音楽を買っている?」

「経済恐慌で失業するのは誰?」

「インターネットの地図」

「人類の未来」

 

といった興味深く学ぶべきところがあるデータ。

 

そして、ロンドンのデザイナー、ヴァレンチナ・デフィリッポによるテーマに沿った美しいデザインとアイデアも参考になりました。

 

インフォグラフィックで見る138億年の歴史:宇宙の始まりから現代世界まで

 

Web制作者のためのUXデザインをはじめる本 ユーザビリティ評価からカスタマージャーニーマップまで




 

近年、ますます「UXデザイン」という言葉を見かけるようになり、僕もこの言葉を多用しているひとりです。

 

UXの定義については、人によって見解が違うことがいまだに身近でも多々見受けられ、その問題に加えてUXデザインの導入方法の難しさも課題になっていると感じます。

 

僕がこの本を手にいれた目的は以下の2つ

 

  1. Web制作者としてのUXデザインのノウハウが学べそう。
  2. Web制作者としてUXデザインの導入方法が、より現実的に学べそう。

 

UXは、日本の中小企業にはまだ浸透しきれていない分野です。クライアントの案件や、自分が所属するチームを含めた組織でいきなり「UXデザインというものをやります」と言われてもなかなか難しいと肌で感じています。

 

なにより、当然UXデザイン自体を自分が理解していないと始まりません。

 

この本では、現場のプロ(執筆陣である株式会社IMJの方々)が、これからWeb制作においてUXデザインを取り入れようとしている人に向けたコンセプトで作成された本であり、また、この本自体が、そういった人をターゲットユーザーに置いたUXデザインによって作られているのが興味深いです。

 

つまり、最近UXデザインの見解・手法・導入方法を知りたがっている、日頃Web制作の業務に従事している人物像がターゲットになっています。

 

そこが、今までに多数存在するUX関連の本にはない特徴です。

 

Web制作者のためのUXデザインをはじめる本 ユーザビリティ評価からカスタマージャーニーマップまで

 

1章のUXデザインとは?から始まり、ユーザビリティ評価、プロトタイピング、ペルソナ、ユーザー調査、カスタマージャーニーマップ作成など、UXデザインを実行するうえで実践的な2章〜7章では、手法の説明・基本的な実施手順・環境や経験による難易度に合わせたやり方・推薦書籍の紹介・注意点などでまとめられており、8章ではUXデザインを組織に導入する取り組みが紹介されています。

 

さらに本書の特典として、シナリオ作成、カスタマージャーニーマップ、共感ペルソナ、ステークホルダーマップ、導入シナリオといった最初に自分で用意するには大変そうなシートがテンプレート(パワーポイントとPDFの2種類)としてダウンロードでき、いきなり本書と同じような進め方が可能ですし、ご自身で使いやすい様に改変も可能です。

 

個人的に目から鱗だったのは、8章の「UXデザインを組織に導入する」で、UXデザインを組織全体に理解してもらう道筋が書かれており、この内容の途中までは自分が実施してきたこととほぼ一致しており、ある意味今までの行動が報われたような気がしました。これでよかったのか?そしてまさにこの後どうするか?と迷っていた矢先でしたので、とても参考になりました。

 

【感想】

UXデザイン系の本はたくさんありますが、この本はWeb制作においてのUXデザインを導入するために、とても現実的に肌身で感じる内容でした。

 

初級〜中級の人向き。
初級の人にとっては、Web制作におけるUXデザインを体系的に知ることができ、実務内容も具体的に書かれているので大変オススメです。

 

中級以上の人にとっても、自社(自分)以外の手法を知ることができるので、今までのやり方に対して見直せることができます。

 

実践的な部分では、ユーザビリティ評価、ユーザー調査といった一般ユーザーを集めなければ実施できないのでは?といった心配も、まずは家族や友達、自社内の人間相手からでも始める実施法が紹介されており、今後はハードルが低く感じることと思います。

 

UXの考察自体、日頃の生活からでもできるのです。

 

UXデザインに興味を持たれている人はすでに感じていると思いますが、本書を読んだら”現状よりもいっそうWeb制作が楽しくなるのは間違いない”と自信を持って言えます。




 

『インターネットマーケティング 基礎編』第2版(改訂版)




 

多分この本を購入検討されている方は、サーティファイ主催のネットマーケティング検定の資格取得を目指している方が大半だと思います。

 

かくゆう僕もその一人でした。

 

ネットマーケティング検定についての過去記事:

「ネットマーケティング検定 」サーティファイを受けてみた(1)

「ネットマーケティング検定 」サーティファイを受けてみた(2)

「ネットマーケティング検定 」サーティファイを受けてみた(3)

 

以前の記事でも書きましたが、この本は公式サイトからでも購入できますが、僕はAmazonのキンドル版で購入しました。

 

その際に気を付けなければいけないのが、Amazonには第1版と第2版(改訂版)が存在する事。当然第1版は内容が古いと思いますので、間違って購入しないように気を付けてください。

 

単行本(ソフトカバー): 332ページ
出版社: インプレス; 第2版
発売日: 2015/8/24
商品パッケージの寸法: 21 x 14.8 x 2.2 cm

 

以下の様に全12章+付録の過去問題で構成されています。

 

第1章
インターネットマーケティングを行うにあたって

第2章
インターネット技術概論

第3章
総論〜インターネットマーケティングの個別手法〜

第4章
インターネットリサーチ

第5章
プロモーション(PR/ブランディング)

第6章
インターネット広告

第7章
インターネットを利用した販売

第8章
効果測定

第9章
外注管理

第10章
各種ポリシー

第11章
関連法規

第12章
インターネットとコンプライアンス、CSR

付録
過去問題



マーケティングの基本的な理論から、Webビジネスにおいて必要な知識が広く得られます。

 

全体的な内容として、ネット(Web)マーケティングの資格の教材だけあって、ちょこちょこWeb関連の話が出てきます。一般企業でいきなりWeb担当者を任せられた人より、ネットリテラシーを要するWeb制作経験者の人の方が吸収が早いかも知れません。

 

特に第2章だけはWeb制作経験者にとっては、資格取得を目指す上で最も有利な内容かなと思いました。ネットワーク・OSのの基本知識、言語・SEO・制作ワークローを大体知っている人ならば斜め読みでも大丈夫な気がします。

 

Web屋である僕が苦手意識を感じた章は「第10章の各種ポリシー」「第11章の関連法規」。しかし、ブログやSNSなどインターネット上での画像や動画、音楽などの扱いについて勉強になりました。物を売ったり広めたりというノウハウだけでなく、この辺の知識はWebビジネスに関わる人にとって知って置くべきことです。

 

第9章の外注管理」に書かれていた内容は、Webディレクターの僕にとって為になる内容でした。Web屋の目線じゃない角度(Web制作会社への仕事の頼み方や選定方法など)の知識も学べます。

 

他の章はマーケティングの概念・理論・手法などで、Webマーケティングを継続していくための知識として楽しめました。

 

当然の事ながら、資格を取る為にはどの章もすっ飛ばす訳にはいきませんが、まず全章一読した後、興味がある章から順番に読み進めると良いと思います。

 

ネットマーケティングや、Webビジネスに必要なノウハウが幅広く網羅されているので、少しづつ苦手な章を無くしていくイメージで。

 

今回、サーティファイのネットマーケティング検定の資格を取得するために本書を購入しましたが、検定試験を終えた現在でも、この本のページはめくることがあります。

 

基本的なことが書いてあるので。




グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ

MARKETING

マーケターが「グレイトフル・デッド」の本を?

 

デッドヘッズが「マーケティング」の本を?

 

北区王子の古本屋、山遊堂さんの音楽書籍コーナーでこの本のタイトルが目に飛び込んできた時は、一瞬頭が混乱したと同時にすぐ手に取っていました。

 

「グレイトフル・デッド」にも「マーケティング」にも興味がある僕は、この本を日本に紹介した糸井重里さんの序文を読んですごく興奮しました。

 

そしてそのままレジへ。




グレイトフル・デッドと自分

グレイトフル・デッドとはヒッピーサイケの大御所的バンド。

 

僕も若い頃は長髪でそれっぽいファッションをしていた時期があり、デッドのレコードやCDも聴いていましたが、決して熱狂的なデッドヘッズ(グレイトフル・デッドの熱狂的なファンの事)という訳ではありませんでした。

 

でも、グレイトフル・デッドの音源を買っていただけでなく、当時乗っていたバイクにデッドベア(グレイトフル・デッドの子熊のキャラクター)のステッカーを貼っていたり、Tシャツも着ていました。

 

今思えば90年代、遠く離れたここ日本で当時若かった僕もグレイトフル・デッドが敷いていたマーケティング・プランに導かれていたのかも知れません。

 

グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ

サイケデリックな装丁デザインのこの書籍は紛れもなくマーケティングの実用書です。

 

とはいえ、AIDMAやAISASといった消費者行動理論、4P理論といったお硬い説明はありません。

 

グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ
「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」 デイヴィッド・ミーアマン・スコット (著), ブライアン・ハリガン (著), 糸井重里 (監修), 渡辺由佳里 (翻訳) 出版社:日経BP社

 

(2017年5月現在)6年前の2011年に日経BP社が発行・日経BPマーケティングが発売したこの本は、ビートルズやローリング・ストーンズほど知名度が高くないグレイトフル・デッドというバンドのビジネスの成功法が記されており、その手法はどれも現代のWebマーケティングと一致しているのです。

 

流行り廃りの流れが速いこの業界の実用書は数年経てば内容が廃れている可能性が高く、僕は1年〜2年以上前の実用書にはなかなか目を向けないのですが、好奇心で手に取ってみたら、現在でも全くを持って通用する内容でした。

 

各章は、「グレイトフル・デッドの成功法」「超有名企業やサービスの事例」「結論」でコンパクトにまとめられています。

 

今を時めくGoogle、Amazon、Dropbox、MySQL、マクドナルド等といった超有名企業やサービスの手法・事例は、グレイトフル・デッドが70年代から先駆けて実行していたのです!

 

  • ライブの素晴らしさ=質の高いコンテンツ
  • ビートルズと真逆な戦略=競合との画期的な差別化
  • ライブ録音の自由とオフィシャルリリース=フリーミアム

 

などなど(以上の手段はほんの一例)




感想

どれもマーケティングをやっていく上で大切な事ばかりですが、小手先のテクニックだけではなく、一番大切なのは消費者(ファン、リピーター)に対して誠実に想う気持ち。これは、今のSEO対策の根本的な考え方と似ていると思いました。

 

この本を読んで、人によってはマーケティングの本質を感じ取ることもできますが、マーケティングのみ焦点を当てた内容だけではなく、デザインの仕方、ビジネスそのもの考え方、企業人としての誠実さ、働き方、生き方まで考えさえられます。

 

6年前の本ですが、Webマーケティングをこれから学びたいと思っている方に充分おすすめです。

 

グレイトフル・デッドの渋い写真や、アーティスティックなイラストも載っていてデザイン性が高く、エッセイ感覚な文体で気楽に読める実用書。

 

プロジェクトマネージャー・マーケター・Webディレクターさんとかだけでなく、これからUI/UXを武器にしたいと思っているWebデザイナーさんにも有効かつ読みやすい書籍だと思います。

 

今回たまたま古本屋さんで購入しましたが、Amazonでも購入可能な様です。