『時間と場所を選ばない パラレルキャリアを始めよう!2枚目の名刺があなたの可能性を広げる』




 

パラレルキャリアという言葉を初めて聞いた時に関心を持った理由は、SF小説などに登場する、現実と並行して存在する別の世界(時空)を表すパラレルワールドという言葉を知っていたことが基づいていたのだと後から思った。

 

そのパラレルキャリアについては数年前から関心を寄せていて、ネット上で情報収集をしていたところ、Webディレクターの方が実際にプロボノ、シビックテックといった活動をしているのを知り、その方と同年代・同業種としてその関心はさらに高まっていきました。

 

パラレルキャリアの定義についてはピーター・ドラッカー著『明日を支配するもの』にて提唱されている、

 

「パラレルキャリア(第二の仕事)、すなわちもう一つの世界をもつことである(中略)」

 


明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命

 

それはまさに今日の日本でも重要視されつつあり、ドラッカーは見事に予言を的中しています。

 

後述しますが、自分でもようやく最近その「もう一つの世界」を見つけることができ、今一度パラレルキャリアについて認識しようと、下記の書籍を読んでみました。

 


時間と場所を選ばない パラレルキャリアを始めよう!―――「2枚目の名刺」があなたの可能性を広げる

 

この本では、豊富な実例と平行に、パラレルキャリアの定義始め方種類方法活動により得られること。また、対極をなすシングルキャリアの実態リスクなど、パラレルキャリアを始めるにあたり、知っておくべき知識が全8章200ページ強にて学べます。

 

パラレルキャリアとは

本業と本業以外の社会活動。

 

社会活動と聞くと「NPO団体」「ボランティア」という敷居が高いワードが思い浮かぶけど、そこがちょっと待ったなのである。

 

「社会」とは、なにも「世の中」という広くて公なステージだけではなく、単に人々の共同空間でもあります。

 

つまり、学校のPTAや、自分が住んでいる町内会も立派な「社会」なのです。

 

  • SNSなどで同士を集め、プログラミングの勉強会を始める。または参加する。
  • 上記のように自分が住んでいる町の町内会に参加する。

 

こういったことも立派なパラレルキャリアに当てはまります。

 

シングルキャリアのリスク

といった具合に考えると、身近なところから気楽な気持ちで始めらることがわかりますが、そもそもそんなことは昔から行われていることなのでまったく目新しいことではない。

 

では、パラレルキャリアという横文字が、なぜ最近注目されているのか。

 

それはパラレルキャリアとは対極をなす、シングルキャリアにその本質が隠されています。

 

下記、本文中から引用抜粋。

 

シングルキャリアとは、「自分が本業と考える組織、あるいは役割に全面的に依存してしまい、その価値観を疑問の余地なく受け入れ、その状態から変化する可能性すら想定していない場合」

 

決して終身雇用がいけないというわけではありません。しかし、長時間残業、異動、慣れ親しんだ仲間といった、会社が用意した時間と空間と接点の中で、一つの組織の考えだけに染まった思考と行動はとても閉鎖的なのです。

 

現に僕も組織のその時その時の状況により役割や立場、部署を転々とした経験があります。

 

その閉鎖的な状況にも気づかぬまま、組織の血液が濃くなってしまうと、社員個人は総合職として様々な経験ができる反面、特筆した専門分野を伸ばすことができません。

 

様々な経験といえど、所詮自分の組織内での経験にすぎない。

 

成長を妨げられた社員が多くなると、無意識に組織に身を任せる人ばかりとなり、自らが組織をより良い方向へ導く思考・行動を起こせなくなると考えています。

 

またはその危機感に気づいた人は転職を希望することになります。

 

当然それは組織的にもマイナスだし、後述する「キャリア」という個人の人生にも跳ね返ってくるでしょう。

 

パラレルキャリアが注目された3つのこと

(1)社内では経験できないことが経験できる。

例えば、町内会委員になるにしても、日頃の業務と同じように町内会にも目標や課題があるはずです。

 

多くの人たちに自分の町に住んでもらいたいという最終目標があり、そのためには町内イベントを開催したり、治安を良くしたりなど。

 

本業でフロントエンドエンジニアをメインでやっている人が、同じ町に住んでいる老若男女の様々な職業・役割を持つ人たちと一つの目標に向かうプロジェクトに参加することにより、普段では経験できない人たちとのコミュニケーション、チームビルディング、未知の専門知識、問題解決能力などが身につくはずです。

 

(2)その経験を本業で生かせる。

今まではフロントエンドの構築をメインでやっていた人が、本業ではバグの解決だけでなく、プロジェクトの問題解決能力を発揮できたり、たまたま同じ町内会員にいた経済学者さんから得た知識でターゲットユーザーの行動心理についてアイデアを出せるようになったり。

 

かなり都合の良い例ですが、外部環境で率先して行動することは、間違いなく自分自身へのフイードバックとなり、それが持ち帰った組織への手土産となります。

 

(とはいえ、最近のエンジニアさんは守備範囲が広いが)




 

(3)その経験が自分のキャリアになる。

今後、我が国で定年が長くなるのか、定年自体がなくなるのかわかりませんが、節目として現職を離れた後も働きたい場合や、転職をする場合、豊富なキャリアがあればシングルキャリアに比べてそれは有利に働きます。

 

本書ではパラレルキャリアという観点からのキャリアについて、ダグラス・T・ホールの定義を紹介しています。

 

生涯における一連の職業と経験。
生涯における一連の役割の経験。

 

キャリアの定義は様々ですが、上記をキャリアと定義づけ、それらを果たすことにより、いつか自分の軌跡を振り返った時に大きな自信と実績になるということです。

 

まとめ

  • パラレルキャリアとは、本業と本業以外の社会活動。
  • パラレルキャリアは、身近なところから始めらる。
  • シングルキャリアのままだと自己成長の妨げになる。
  • パラレルキャリアは、本業では経験できないことが経験できる。
  • パラレルキャリアは本業や自分の人生に相乗効果をもたらす。

 

以上、この本を読んで自分なりに解釈したことですが、富士通ラーニングメディアのデザイン思考の導入の話や、週5時間〜10時間のスキマ時間を活用した話など、とにかく実例が豊富な良書だと思います。

 

日頃からプライベート学習をしている人におすすめ。

 

おまけ:僕のパラレルキャリア

僕が飛び込んだ「もう一つの世界」は、自分が住む大規模な集合住宅の理事会です。

 

【課外活動】マンモス集合住宅の活性化運動。

 

役割としては、

  • 4棟管轄の副棟委員長として、棟の問題提起、問題解決、業務執行。
  • 広報副部会長として、広報誌制作、Webサイトの運用と改善、他、広報活動全般。
  • 理事会役員として、棟と部会の活動報告や稟議、さらに全棟における問題提起、問題解決。

などなど。

 

月に10時間+α程度の時間で活動していますが、やはり理事会、棟委員会、広報部会のそれぞれのチーム内には、様々な専門分野の人、職業の人がいて、みんなこの集合住宅の資産価値を高めようという一つの目標に向かっている人たちで形成されていてとても刺激的で楽しいです。

 

飛び込んだだけじゃ成果の前借りをしているに過ぎないと思いますが、ここから少しづづキャリアを積み上げて行こうと思います。

 

いや、まずは飛び込むことが大事かな。




 

ナチュラルにアイデア創出。真鍋博『発想交差点』




 

星新一や筒井康隆ほか、多くのSF小説や推理小説の装丁デザイン、挿絵を手がけたイラストレーター真鍋博のアイデア創出エッセイ集。

 

真鍋博が表現するこの「交差点」とは、人と話している時、街角を歩いている時、電車の中など、交差点のように自分と様々な人や出来事が入り交じる、つまり、日常生活でのあらゆる接点。

 

そんな交差点で著者が着想を得た発想や解釈が、見開き2ページ単位というコンパクトな構成で108篇収録されている。

 

読み進めていくうちに、これはミーティングルームから場所を屋外に変えた、他人とのテーマ無き108のブレスト集ではないか?と読み進めていたら、著者のあとがきでもこう記されていて納得した。

 

この発想交差点は、自分の座標軸を絶えず動かすためのシュミレーション、または、セルフ・ブレインストーミングであった

 

僕の知見では、発想は既知の情報を素材に、ある刺激により、ふとひらめく。

 

例えば、数人でのブレスト中に聞こえてきた誰かのボソッとした発言、家の中でリラックスした時にたまたま目に入った物体、公共の場での不愉快な出来事など。




 

この発想交差点は77年から80年にかけて執筆されたもので、まだNTTではなく前身グループの電電公社や、JRの前身の国鉄の名前も話の中に登場する。

 

当時の風景を思い浮かべながら懐古的に読んでも楽しい。

 

40年弱の年月が経ち、時代の風景や人々の価値観がガラッと変わり、現代のテクノロジーによって効率的に解決された問題もある。

 

しかしながら、SFを熟知したイラストレーターによる夢想だにしない切り口の発想や解釈は、現代、もしくは近い将来においても通じる貴重なヒントとして得ることができた。

 

また、通常チーム内でブレストする時は、みんなブレストのルールをいちいち意識しながら行っていることが多いので、このように日常の目の前で即座に疑問に思ったこと・感じたことからナチュラルにアイデアを創出できることをあらためて認識した。


発想交差点 (中公文庫)

 

発想交差点のオリジナルは「真鍋博の発想交差点―四百字二枚半=108篇」として1981年に実業之日本社から出版されており、今回僕が購入して読んだのは1984年に文庫化の際にあとがきを追加した中公文庫が出版したもの。

 

真鍋博の書籍や図録、画集は絶版モノが多く、古本界隈ではとても高価な値段で取引されていますが、この「発想交差点」以外にも同じ中公文庫から「異文化圏遊泳」「歩行文明」、ちくま文庫から「超発明: 創造力への挑戦」「真鍋博のプラネタリウム:星新一の挿絵たち」が文庫化されており、これらは古本でも比較的安く手に入れることができます。

 




 

『オイコノミア ぼくらの希望の経済学』で楽しく経済学が学ぶ。




 

経済学は人生の役に立つ

大学生の頃に経済学部を専攻(中退)していた社内のWebデザイナーに「経済学の授業は楽しかった?」と聞いたら、「難しくてつまらなかった」という答えが返ってきました。

 

ぼくも学生時代は経済学に対し、敷居が高い学問という印象が強かったです。

 

今までWeb制作の仕事をやってきて、当初はビジュアルデザインやコーディングといった技術面を磨くことに必死でしたが、Webに限らず制作物・成果物のクオリテイを突き詰めていくと、人によっては心理学や行動経済学などに行き着くことがあります。

 

現在はぼくも経済学に興味を持つひとりですが、きっかけはWeb制作のスキルアップのプロセスで興味を持ったのではなく、意外にもお笑い芸人が出演しているこのテレビ番組でした。

 

経済学が好きになった番組

オイコノミア
http://www4.nhk.or.jp/oikonomia/

 

オイコノミアは、2018年現在、水曜の夜22:00〜22:43にNHK Eテレで放送されているテレビ番組で、吉本興業のお笑いコンビ、ピースの又吉直樹が毎回いろいろな経済学者とともに様々なテーマを経済学的視点の角度から考察しながらわかりやすく紹介しており、毎週水曜日を楽しみにしています。

 

オイコノミアの本

2012年から続くこの番組は本も出版されており、先日再読。


オイコノミア ぼくらの希望の経済学

 

この本に登場する経済学者の先生は大竹文雄氏、安田洋祐氏、川口大司氏、安藤至大氏の4名。

 

2012年から2013年までの放送の中から、番組同様に又吉直樹と各経済学者の先生とのかたっ苦しくない対談形式になっており、12章分の話が収録されています。

 

又吉直樹のゆるい自虐的ボケと、先生方の一歩引いた絡みが微笑ましくて読んでて楽しい。

 

幸福、就活、スポーツ、携帯電話、貯金、恋愛、結婚、給料、格差、保険、少子化、最後に人生設計といった12のテーマにおいて、それぞれの行動にあらゆる盲点・やるべきことが経済学を通じて気づくことができます。

 

例えば、就活。

経済学観点での就職活動

就活と婚活は似ている

結婚は、一般的には理想の女性を求める「男性」と、同じく理想の男性を求める「女性」という関係性。

 

就活も、採用する「企業」と、採用される「求職者」の二方向の関係です。

 

これから長い付き合いとなる結婚(入社)をするには、まずは就活というデートを重ね、お互いのことをよく知り合い、結婚(採用)というゴールにたどり着く。

 

デートは主に男性が二人で楽しく過ごせるよう、そしてお互いのことを知ろうといろいろな工夫をしますが、その工夫にこそ経済学が役に立つように思います。

 

情報の非対称性

「この企業は本当に残業がないのか?」

もしくは、

「この求職者は本当に真面目に働いてくれるのか?」

片方に正しい情報の共有がなければ、当然のごとく採用は成立しません。

このように双方の持つ情報に差があることを経済学用語で「情報の非対称性」と呼ばれています。

 

チープトーク

企業は自社採用サイトや求人サイトで、良い職場環境や将来的な方針をアピールし、逆に求職者は履歴書・職務経歴書や面接などで、自己の強みをアピールします。

 

しかし、情報の非対称性問題を解消できたわけではなく、まだこの状態ではお互いが「本当のことを言っているのかな?」と完全なる信用にはつながっていません。

 

これはゲーム理論(相手の手打ちを読んで自分の得点を高くし、いかに失点を少なくするにはどうするかという理論)の専門用語チープトークにあたります。

 

シグナリング

では、どうやったら少しは信じてもらえるのか。

 

例えばWeb制作会社を志望している求職者側を例にすると、「日頃からプライベート学習をしています!」というチープトークを裏付ける行動結果を示せばいいのだと思います。

  • 資格を持っている。
  • 独自ドメインの自サイトを運営している。
  • 読んだ本や勉強会のレビューをしている。

 

など、日頃、時間とお金を消費して自己投資している証拠を提示するといった、本気度を見せることでシグナリングという効果があります。

 

まとめ

上記はほんの一例ですが、このように経済学は働き方、ビジネス、私生活など日常や未来でのあらゆる人生の選択肢にも関わってくる役に立つ学術であることがわかります。

 

最後に、残念なことに2018年3月21日(水)をもって6年間続いたオイコノミアは最終回をむかえるそうです。

 

またいつか復活してほしいし、2014年から2018年にかけて放送された内容のオイコノミアの第二弾の本も出版してほしい。

 

なにはともあれ、又吉さんや出演した経済学者さん、番組スタッフさん、大変お疲れさまでした。




 

ユーザーに行動を促す『ザ・マイクロコピー Webコピーライティングの新常識』




 

昨年、SNS上でお世話になっているWebディレクターの方が紹介していたザ・マイクロコピーという本を読んでみて、サイト制作の参考になった。

 

文字伝達情報である「コピー」は、様々な広告やWebサイト上に見られるけど、「マイクロコピー」とはどの部分にあたるのか。

 

マイクロコピーは、主にアプリやWebサイト内のボタン上やボタン付近といったCTAまわり、入力フォーム内などにあるユーザーに重要な行動を促すための少ない文字。

 

この本は、サイトのコンバージョンに左右するそういった細部のコピーライティングのノウハウを、数々のマイクロコピーの実践・ABテストをおこなって結果を出してきた著者の株式会社オレコンの山本琢磨氏が、豊富な事例と多くの図版を使用し、やさしく専門的に紹介している。


Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー

 

たった数文字にユーザーのコンテキストを考える。

一時期、ランディングページ制作においてコンバージョンポイント、コンバージョンエリアなどと呼ばれているエリアのデザインを研究していた時は、ボタンの大きさ、色や形、ボタンまわりの装飾や出現のタイミングといったことばかりに気をとられていました。

 

ユーザーの不安、懸念、疑問、迷いを払ってあげる、ちょっとした文章をCTAに添える、もしくはリライトすることでユーザーの行動は劇的に変わる。

 

コストがかかるデザイン変更や、HTML再構築といった改善実装の前に、ユーザーの前後関係、状況を見直した、たった数文字のリライトや文言追加で結果が変わるのがマイクロコピーの特徴だと思った。

 

マイクロコピーの力が発揮できるのはCTAまわりだけではない。

商品注文、問い合わせ、会員獲得といったところだけではなく、メニューやナビゲーション、ローディング画面、メール内などにも、その状況において適切な”思いやりの語りかけ”が有効。

 

わかりやすかったのが404ページのカスタム。404ページは、ユーザーが目的のページにたどり着けなかった際に「お探しのページは見つかりませんでした」と表示される、あの残念なイメージのページ。

 

ページが見つからないことを伝えるという常識的なことだけではなく、コンテンツにたどり着けなかったユーザーに対し、そこで行き止まりにさせないようにトップページリンク、サイト内検索、商品一覧といった道を作り、そしてモチベーションダウンさせない協力的な姿勢を示したコピーでインタラクションにつなげる。

 

上記のように、直帰率を下げるために404ページに工夫をこらすSEOテクニックが存在しますが、ここでの手法がマイクロコピーとの結びつきが強いことが証明されていた。

 

細部までこだわってナンボ。
何かしらの結果を出すUIとして機能しなければならないWebサイトの制作者に大変おすすめ。




 

仕組みがわかりやすい『入門 ビットコインとブロックチェーン』




 

仮想通貨、ビットコイン、そしてブロックチェーン。

 

数年前からこれらのワードを目にして折々ネットで調べてはいたけど、この分野の書籍はちゃんと読んだことがなかった。

 

入門書として、広く・わかりやすく・素早く知識が得られる本書を読んでみました。

 

入門 ビットコインとブロックチェーン (PHPビジネス新書)

 

  • ビットコインとは?
  • ビットコインはどうやって持つ?
  • どのように運営されている?
  • 電子マネーと何が違う?
  • 仮想通貨は安全なのか?
  • 仮想通貨とセットでよく聞くブロックチェーンとは?
  • ブロックチェーンはなぜ改ざんされないのか?

 

以上のような、最近この分野に関心を持った人が気になるテーマが、各事項Q&A方式でやさしくわかりやすく端的にまとめられており、この分野の基本を明快に押さえることができます。

 

ビットコインを代表的な事例に、仮想通貨やブロックチェーンの基本的な概念・仕組みが体系的に学べるだけでなく、今後それらが作り出す新しい世の中への課題と希望も解説されています。

 

仮想通貨、ブロックチェーンの基礎知識、後半はフィンテック、シェアリングエコノミー、予測市場、さらにスマートコントラクトやDAOといった未来の社会についても触れており、やさしくわかりやすくまとめられているとはいえ、新たな経済、働き方、生活の世界へ、すでに突入していることに気づかされます。

 

当初は仮想通貨に一番の関心があって読みやすそうな本書を手に取りましたが、着目すべきは仮想通貨の投資・投機ではなく、画期的な送金手段である仮想通貨の基幹技術そのもの「ブロックチェーン」なのだと、読了後に認識できたことが大の収穫でした。

 

読了後、とても良い意味で物足りなさを感じたので、入門書としてぴったりでした。

 

もう少しこの分野の知見を広げ、まずは仮想通貨を体験してみて、ブロックチェーンの内部まで触ってみたいと思いはじめました。




 

未経験Webデザイナーが教えてくれた『図解 モチベーション大百科』




 

去年入社したばかりの新卒Webデザイナーの女の子から借りてきた本。

 

約一年前の入社当初は、業務向上のために率先して本を読む子ではなかったのだが、彼女が未経験からWebデザイナーになって自主的に自分で選んで買って読んだ記念すべき一冊目。

 

タイトルを見せてもらった時に、

「まさか、僕のせいでモチベーションが下がっているのか!?」

と焦ったのだが、モロな自己啓発系の本というよりは、行動経済学と認知心理学の観点からあらゆるビジネスシーンをモチベーションというテーマに沿ってフォーカスした実用書でした。

 

とにかく読みやすい

本文は黄と紺の二色刷りで、堅苦しくない文章表現。

 

Web制作業界でも人気があるダン・アリエリー、ダニエル・カーネマン、ダニエル・ピンクといった学者・研究者の著書に書かれている実験結果を抜粋し、図解と、端的な結論と、編著者の説得色のある解釈が要約されている構成。

 

他人や自分に関聯する感情のメカニズムを1〜2ページづつ断片的に簡略にまとめてあるので、読み進めていく上でモチベーションが下がらぬままスラスラ読めてしまう。

 

てっとり早く理解しやすい内容なので、ハンドブックとして持ち歩きたいと思いました。

 

いろいろな場面で役に立つ

モチベーションというと、やる気や動機といった、人が行動を起こすために必要な原動力みたいなことが思い浮かびますが、もっと深く解釈すると、そこには大小様々な問題解決のための予防策やスムーズな対処にも発揮するのだと思いました。

 

そして、ビジネスシーンにおいての自分が関わる様々なこと。

「上司や部下とのコミュニケーション」、「顧客との交渉」、「捗らない会議の場面」、「チームビルディング」、「リーダーシップ」、「アイデア・発想法」、そして「自己管理」。

さらに、Webデザイナーにとって強みとなるであろう人間の行動パターンの知見も得られます。

 

本書の章立て

【CAPTER1】
動機づけのモデルケース

【CAPTER2】
人材育成のモデルケース

【CAPTER3】
目標設定のモデルケース

【CAPTER4】
意思決定のモデルケース

【CAPTER5】
人脈作りのモデルケース

【CAPTER6】
自己管理のモデルケース

【CAPTER7】
発想転換のモデルケース

 

図解 モチベーション大百科

 

感想・まとめ

Web制作、Webデザインの仕事をしていると、人によっては行動経済学や認知化学、認知心理学などに行き着きます。

 

今期、彼女にはコーディングやデザインなどの技術面やセンスを磨いてもらいつつ、Web制作のエッセンス、マーケティングやUXデザインの必要性、プロジェクト意識、チーム行動の重要性などを経験してきた中で選んだ一冊として納得しました。

 

行動経済学や心理学系の専門書は難しかったりするけど(もちろん読みやすい本もある)、巻末で紹介している有用な参考文献も多いし、この分野への興味をより高め、深掘りしていく入門書としての役割も持ちます。

 

僕は前述の行動経済学者の著書は大体読んでいますが、だいぶ昔にインプットしたきり記憶が薄れていることに気づき、今一度再読して、今後はアレンジとアウトプットをしていこうと思いました。




 

Webディレクターが読んだ2017年に出版された本




 

本は年間に何十冊も何百冊も読んではいませんが、Webディレクターという職業柄のせいか、ディレクション、UX関連、デザイン、ライティング、チューニング、コミュニケーション、思考法など、気づいたら多岐にわたるジャンルの本に手をとりました。

 

その中から、今年2017年に出版され、読んでみた本をまとめてみました(順不同)。

 

Webディレクターが読んだ2017年出版された本

 


Webディレクションの新・標準ルール 現場の効率をアップする最新ワークフローとマネジメント

デザイナ同様、数年前に比べてWebディレクターの守備範囲が広がったように思えます。

しかし、もっとも心がけるエッセンスは昔から依然変わっていないようです。

重要なのはマネジメントとコミュニケーション。

この本ではWebディレクターが担うべき最新の標準ルールを知ることができ、もちろん基本的なことを知ることができます。

これからWebディレクターを志す人や、最近の動向を確かめる理由ですでにWebディレクターをやっている人が読んでも有用。

 

 


デザインの次に来るもの

日本でも話題になった「デザイン思考」以外の考え「意味のイノベーション」の価値が紹介されています。

また、デザインの黎明期から、ヨーロッパを中心に近年のデザイン・デザイナーの定義についても触れており、ビジネスにおいてデザイン・デザイナーの重要性を知ることができます。

 

 


Webフロントエンド ハイパフォーマンス チューニング

ディレクターになってから技術書を購入することはめっきり減りましたが、それでもWeb制作に携わる人間としてはWebサイトのパフォーマンス向上の知識を持ち合わすことは大事。

計測ツールの使用方法、JS、CSSのチューニングテクニックなど、Webサイトを幅広く網羅されている。

 

 


逆説のスタートアップ思考 (中公新書ラクレ 578)

スタートアップの正しい解説に始まり、その本質が「逆説」や「反直観的」という言葉の中に隠されています。

ベンチャーと混同している人にとっても、スタートアップの正しい解説から始まるので、起業家でない人でも、著者が主張する素晴らしいスタートアップ思考への理解が深まると思います。

また、UXの考え方に近い、CS(カスタマーサクセス)の重要性についても言及されています。

 

 


発想法 改版 – 創造性開発のために (中公新書)

ブレストなどによって導き出された多くの発想を整序して、問題解決に結びつけていくための手法、KJ法の本。

KJ法は、文化人類学者であり、著者の川喜田二郎のイニシャルから取られた世界中で活用されている。

新版ではないが、続・発想法にも続く。

 

 


未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)

今、世界中が注目している日本の少子高齢化問題。

仕事上での提案やアイデア発想のネタ探しとして購入して読んだものの、あまりの深刻な状況に絶句した。

「自分も日本のためになにかをしなければならない」という気持ちのさせられた。

 

 


大人の語彙力ノート 誰からも「できる! 」と思われる

 

 


仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか?

 

 


スタンフォード式 最高の睡眠

 

 


MBA100の基本

 

 


MBA生産性をあげる100の基本

 

番外編:Webディレクターが読んだ2016年後半〜に出版された本

今年2017年に読んだ本で、よく見たら2016年に出版されていた本です。

 

 


デザインの伝え方

 

 


ストーリーマッピングをはじめよう

 

 


人工知能―――機械といかに向き合うか (Harvard Business Review)

 

『矩形の森 思考するグリッド』創造の可能性を秘めた土台作り。




 

どんな媒体のデザインにおいても欠かせないグリッドレイアウト。

 

きちんと整列された格子柄のフィールド上でレイアウトを施し、ユーザーにとって理解しやすく最適に情報を整理する。

 

Webデザインの現場では、CSSで組むグリッドレイアウト(グリッドシステム)という構築方法が言葉としては馴染み深いと思いますが、正確にはグリッド自体はラフやプロトタイピングといった設計フェーズから用いられています。

 

コンテンツの優先順位や導線を意識した画面設計の場面において、ブロックごとのカラム分けを大雑把にペンで線引きをしたらそれはもうグリッドなのです。

 

そういえば、CSSを学び良い気になってたWebデザイナーだった頃から、グリッド自体について深く意識をしたことはなかった。

 

会社帰りに神保町にある建築や数学の書物が充実している古本屋さん明倫館書店に立ち寄った際に買った書物『矩形の森 思考するグリッド』がとても面白かったです。

 

矩形の森 思考するグリッド

 

94年に埼玉県立近代美術館で開催された展覧会『矩形の森 思考するグリッド』の図録です。

 

グリッドは先述の通り、Webやグラフィックなどのデザイン、建築デザインの現場でも多用されており、平面・立体関わらず昔からモノを作る時の拠り所としてきた主な構成方法。

 

また、アートの分野でも近代美術以降、ディ スティルやミニマリズムでも使用されてきました。

 

この展覧会・図録ではグリッドの変遷については特に取り上げらていなく、多角的な視点でグリッドを見つめています。

 

当時展示されていた、パウル・クレー、ディ スティル、アンディ・ウォーホル、草間彌生など国内外の23作家の作品が紹介されており、それらの作品は、

 

<分割と展開>

<連続と集積>

<ずれと気配>

<構造と意味>

 

の4つの章で分類され、各視点にて多様な姿で表現されたグリッドによる構築物の作品を楽しむことができます。

 

グリッドは様々な創造の立脚点にしやすいが、あくまで立脚点にすぎない。要求されているのは、そこから創造を、独自性を立ち上げることである。

グリッドという普遍的な構造を見据え、用いながらも、真の創造と独自の表現を立ち上げる。

これが、普遍と個の関わりを生み、魅力ある世界の開示をもたらすのである。

引用:埼玉県立近代美術館学芸員

 

グリッドとは、独自の価値をもたらす創造の可能性を秘めた土台作り。

 

ワイヤー作成、プロトタイピング、コーディング時のように素早く線引きしている現場環境で、今後そのことを思い出し、意識できればいいのですが・・・。