去年の年末に投稿したWebディレクターが読んだ2017年に出版された本という記事がなかなか好評だったので、今年も振り返ってみた中から2018年に出版され読んでみた、先見的な書籍、マネジメント、JavaScript、マーケティング、コミュニケーション、デザイン、ロジカルシンキング、ミーティング、CS(カスタマーサクセス)、ブランディング、リクルーティング、経済学などの本をつたない感想を添えてまとめてみました(順不同)。
今年は、出版社の知り合いが増えたことや、女房役のWebデザイナーの子が読書に目覚めたこともあり、色んな書籍を拝借させてもらったおかげで経済的にも助かった一年でした。
そして、しつこいようですが、Webディレクターにおすすめの本という訳でなく、いちWebディレクターが、ただ読んだ本になります。
Webディレクターが読んだ2018年出版された本
ティール組織


ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現
ティール組織とは、階層のない全体性を持った組織。
著者のフレデリック・ラルーは、組織のフェーズを「レッド」、「アンバー」、「オレンジ」、「グリーン」、「ティール」の5段階に分別。
グリーンまでの4段階には、経営者と社員、上司と部下といったお馴染みの階層がありますが、ティールには基本的にそれらが存在しない。
すなわちティール組織は、一人ひとりがセルフマネジメントできる存在になることが必要と提唱されている。
日頃、セルフマネジメントに重要性を感じて行動している人にとっては興味深い世界観だと思う。
未来の年表2


未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること (講談社現代新書)
仕事上での提案やアイデア発想のネタ探しとして軽い気持ちで購入した前書同様、ビジネスにつなげるための良いネタ本であると同時に、あまりの日本の深刻な状況に絶句。
最近の自分の言動はこの本の中の言葉が基準なっていることに気づく。
久しぶりに会社の人間だけでなく、家族にも勧めたくなる本となりました。
スラスラ読める JavaScript ふりがなプログラミング


スラスラ読める JavaScript ふりがなプログラミング (ふりがなプログラミングシリーズ)
ディレクター職がメインの僕はJavaScript初心者レベルなのですが、本屋さんで立ち読みしたとき、「この本なら今度は挫折しなそう」という気がして衝動買い。
コードに細かくふりがながふってあるだけでここまで理解しやすなるのか。
オライリージャパンから出版された『デザインの伝え方』の著者が、プライベートの時間に本業のデザインから離れクラシックカーのリペアをしているのを知って、僕もこの夏、なにかを本業とは別の分野の研究や学習をし直そうと思っていた矢先に見つけた入門書。
デザインリーダーシップ


デザインリーダーシップ – デザインリーダーはいかにして組織を構築し、成功に導くのか?
同じシリーズの『デザイン組織のつくりかた デザイン思考を駆動させるインハウスチームの構築&運用ガイド』が面白かったので購入。
デザイン会社の経営者や組織にデザイン部門を抱えている経営者・マネージャーにもおすすめですが、上司とそりが合わない現役デザイナーにも、双方合意による組織デザイン構築をしていくならおすすめ。
ミーティングのデザイン


ミーティングのデザイン エンジニア、デザイナー、マネージャーが知っておくべき会議設計・運営ガイド
上記『デザインリーダーシップ』と同じシリーズの第3弾。
弊社の別部門のデザイナー(女性)が自チームのミーティングを改善しようと購入したものを拝借。
この本のおかげで、デザイナーとしての彼女の本能に働きかけ、観察・改善・スムーズさ・成果を意識したファシリテーションを行うようになったそうです。
おもてなし幻想


おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係
自社が顧客ロイヤリティ向上のために基準としていたCX/CSがそもそもの間違い。
本書によると、「お客様の問題は全て解決しましたでしょうか」の決まり文句は実は最悪という。
バイアスほど、時間と労力を無駄にしていることはないと改めて痛感する一冊。
マーケティングリサーチとデータ分析の基本


マーケティングリサーチとデータ分析の基本
図解も使われながら最新のマーケティングリサーチ・データ分析事情が解説されている初学者向けの入門書。
手法論だけでなく、仮説、検証、分析の大切さというか、見失いがちだったり、そもそも備わっていなかったリサーチ・データ分析の「意味」も理解できると思う。
玄人はわざわざ購入するまでもないけど、読む機会があったらそれはそれで初心に立ち返れる。
カスタマーサクセス


カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則
去年、馬田隆明氏の『逆説のスタートアップ思考』という本で初めて知ったCS(カスタマー・サクセス)という言葉が、ついに網羅された本が出版されたかと読んでみた。
所有者の行動や価値は「モノ」から「コト」。「所有」から「利用」へと変化。個人的には車やAdobeのアプリケーションがそれに当てはまる。
それでは、多くの消費者に対価を支払ってもらって、サービスを一度利用してもらったら、それでWin-Winの関係か?
カスタマー・サクセスとは何か。読み物感覚で気楽にそれがインプットできます。
要点で学ぶ、リサーチ&デザインの手法100


要点で学ぶ、リサーチ&デザインの手法100
正直、聞いたこともない知らない手法がたくさんあった。僕はWebディレクターなのだし100個もあれば当たり前か。
解説と図版が見開き2ページ毎に端的にまとめられていて読みやすい。
網羅性があるので図鑑感覚で読み進め、今の自分の案件にマッチした手法を深掘していくのに良いかも。
ブランディングの科学


ブランディングの科学 誰も知らないマーケティングの法則11
「かのP&Gに影響を与えたマーケティングの名著が遂に発売。コトラーなどのマーケティング主流派に異論を唱え、新しい視点からマーケティングやブランドの育成方法を提案する。コトラーを超える最新マーケティングの神髄。」
上記の触れ込みに惹かれました。
あらゆる定説が否定されているので、マーケティング初学者はある意味読まない方がいい気がします。
「きめ方」の論理


「きめ方」の論理 (ちくま学芸文庫)
1980年に東京大学出版会から出版され絶版となっていたものが、ちくま学芸文庫から文庫化。
選挙、仕事、今日の夕飯。人生、常にあらゆることを決定していかなければならない。
物事を決定していくにはどんな手順を踏み、そしてどんな手法があるのか。
論破力


論破力 (朝日新書)
この本の触れ込みの一部である「あの時ああ言えばよかった」と、あとになって思うことは未だにありますが、テレビ番組の影響か、勝ち負けにこだわる印象の「論破」という言葉自体があまり好きではない。
しかし、「ジャッジする人に向けたプレゼン」という意識にさすがひろゆき氏だと思いました。
ビジネスフレームワーク図鑑


ビジネスフレームワーク図鑑 すぐ使える問題解決・アイデア発想ツール70
課題解決、市場分析、業務改善など7つのシーンに役立つフレームワークが70点。
「ロジックツリー」「ファイブフォース分析」「SWOT分析」「4P分析」「STP」「PDCA」などなど。
上記『要点で学ぶ、リサーチ&デザインの手法100』同様、図鑑感覚で楽しめ、今の自分に必要なフレームワークを深掘していくのに良い。
会員特典のPowerPoint形式のテンプレートつき。
[買わせる]の心理学


[買わせる]の心理学 消費者の心を動かすデザインの技法61
成果・効果に執拗にこだわるようになったWebデザイナーから拝借。
心理学を応用した手法の説明と実際のデザイン例集。
UIデザイナー、これからマーケティングを勉強しようと思っているデザイナには特にわかりやすく有用。
プレイス・ブランディング


プレイス・ブランディング — 地域から“場所”のブランディングへ
地域ではなく、場所(place)。
『未来の年表』を読んだあと、東京一極集中について重要性を感じ、地元学、コミュニティデザイン、地域ブランディング等をあらためて調べていた頃に目に止まった本。
ロベルト・ベルガンティが提唱した「意味のイノベーション」が紹介されている『デザインの次に来るもの』と併用して読むと、日本の中小企業や地方が今後どうデザインしていくかのあり方が見えてくる。
採用ブランディング


「無名×中小企業」でもほしい人材を獲得できる 採用ブランディング
優秀な人材を採用したい。その前に企業は人材を招き入れる準備、コンセプトは固まっているのか。
採用は、戦略であり、マーケティングであることを理解した。
現代経済学


現代経済学-ゲーム理論・行動経済学・制度論 (中公新書)
経済学と聞くと昔から敷居の高い学問のイメージがあり、Web制作を通じて行動経済学が好きなり今に至る。
しかし、行動経済学はどちらかというと心理学的な面白さと印象が強い人が多いのでは。
ゲーム理論、マクロ経済学、行動経済学、神経経済学など、現代の様々な経済学を俯瞰してまとめられてる最新の入門書。
1分で話せ


1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術
端的に。論理的に。1分でまとまらない話は何時間かけても伝わらない。
ロジカル・シンキングのマスターはハードルが高いと思っている人にもおすすめ。
「ない仕事」の作り方 (文春文庫)


「ない仕事」の作り方 (文春文庫)
なんてブルー・オーシャン戦略なタイトルだろう!?と手にとったのが3年前。
誰もが聞いたことがある「ゆるキャラ」を作ったのは、著者である自称「1人電通」のみうらじゅんさん。
もはや、誰が言い出したかわからないくらいゆるキャラを一人歩きさせた戦略とは。
糸井重里さんとの対談を追加収録し文春文庫から文庫化。