映画『めだまろん/ザ・レジデンツ・ムービー』

ザ・レジデンツのドキュメンタリー映画「めだまろん/ザ・レジデンツ・ムービー」原題:Theory of Obscurity: a film about The Residentsを観に、渋谷はシアター・イメージフォーラムへ7月8日(土)へ行ってきました。

 

シアター・イメージフォーラムへは2001年の『殺し屋1』実写版を観に行った以来でじつに15、16年ぶり。

 

レジデンツ初のドキュメンタリー映画ということで、この情報を知った時は興奮しました。

 

 

ザ・レジデンツとは

レジデンツのことを簡単に説明しますと、アメリカ西海岸を拠点に70年代から今も活動しているバンドです。

 

ここまではよくあるプロフィールですが、奇妙奇天烈な音楽、目玉のマスクにタキシードという格好をしてメンバー全員の素性が明かされていない、まさしく「正体不明」というのが他のバンドと違うといったところですかね。

 

日本だと、デビュー当時の宇多田ヒカルのプロモーション戦略を思い出しますが、レジデンツはそれを40年間も貫いていて、現在進行形なのです。

 

彼らの匿名性理論、曖昧理論(ファジー理論とは関係ない)は、人を惹きつける力があり、未だ多くの熱狂的なファンを抱えています。とはいえ、誰もが知るようなメジャーな存在ではないので、どのくらいのファンがいるかは解りませんが。

 

今年の3月にBLUE NOTE TOKYOでの再来日は都合がつかなく断念。それから本ドキュメンタリー映画の情報を耳にし、必ず行こうと思っていました。

 

今回の映画では、謎のサポートメンバーのギタリスト「スネークフィンガー」の映像が観れるのでは?レジデンツの正体が誰なのか?その手がかりを期待していました。




スネークフィンガーの貴重な映像は?

「スネークフィンガー」のフィリップ・リスマンは、チリ・ウィリ&レッド・ホット・ペパーズというパブロックバンドで活動する傍、スネークフィンガー名義でソロ活動。さらにレジデンツのサポートメンバーでもありました。

 

(そういえば、レジデンツが好きな電気グルーヴの曲でスネークフィンガーというのがありましたね)

 

クラフトワークのMODELのカバーと、レジデンツ名義でのローリングストーンズのサティスファクションのカバーでの、あのアイシーなギターソロは最高に好きです。

 

そのアヴァンなギタープレイが観れるかも?と期待してましたが、残念ながら拝めず。

 

登場したのは、レジデンツのボーカルがライブ時に着ていたTシャツの、スネークフィンガーのChewing Hides The Soundのジャケのプリントくらい。

 

でも、レジデンツのメンバーのスネークフィンガーに対する想いが伝わり、感動を覚えました。

 

レジデンツの正体が誰なのか?

以前、僕の音楽仲間の間でも、そのことを議論した思い出があります。

 

プライマスのレス・クレイプール?いやいや、全員、クロマニヨン(ニューヨークのフリージャズレーベルESPから1969年にデビューしたグループ)が前身なのでは?先ほど、手がかりが掴めればと書きましたが、この映画を観終わってからは、そんなことはどうでもよくなりました。

 

仮に、レジデンツの正体が誰なのか?もうありえないけどジョージ・ハリスンなのか?無名の人なのか?それを知った時点で、レジデンツではなくなると思ったからです。

 

その謎に満ちた状態だからこそ、数倍の魅力が発揮される。

 

だからもうレジデンツの正体には興味がなくなり、引き続き彼らの表現全体を楽しむことにしました。

 

最後に、そもそも質(レジデンツの場合、高い音楽性と芸術性とパフォーマンスなど)に魅力がないと、ブランディングというのは成功しないものなのだな再認識しました。

 

これが目玉論てやつか。

 

お土産に、公式パンフを購入し、レジデンツのガチャポンもやってみました。

 

レジデンツのガチャガチャ

 

当たったのは目玉のスーパーボールと、ステッカー。
連れはトートバッグが当たりました。

 

レジデンツめだまろん公式パンフ

 

パンフは読み応えがあるインタビューや、ジャケ原画やアセテート盤の写真が多く掲載されててマニアよだれものの内容。

 

映画「めだまろん/ザ・レジデンツ・ムービー」オフィシャルサイト

 

以下劇場情報

【東京】シアター・イメージフォーラム 公開日:7月1日(土)〜
【愛知】名古屋シネマテーク 公開日:7月22日(土)〜
【大阪】シネ・リーブル梅田 公開日:7月8日(土)〜
【兵庫】元町映画館 公開日:9月2日(土)〜




 

Webサイト改修時のコンテンツの精査とヒアリング

Webサイトの新規案件の時だけでなく、全面リニューアル(以下、改修)の時にも「コンテンツの精査」という作業を行なっています。

 

僕は、精査という言葉は「吟味する」「調査する」「念入りに調べる」という意味合いのもと行なっているのですが、中には「削除する」「省く」「削ぎ落とす」という勘違いした意味が先行している社員がいて、コンテンツの精査について考え直してもらったことがありました。

 

現在のコーポレートサイトの王道的デザインなのかわかりませんが、既存のコンテンツを排除し、実績・強み・サービス紹介というラインナップのトップページデザインにまるっと変更しようとする社員に待ったを掛けたのです。

 

流行り廃りが激しいWeb業界です。悪い言い方をすれば”古臭く見える”過去のWebデザインを見ると、ツッコミどころ満載に感じてしまうことはありがちです。

 

ですが、そこに落とし穴が待っており、過去の産物は何もかも否定的に感じてしまい間違ったコンテンツの精査を行ってしてしまう場合があるようです。

 

まだ技術の進歩が発展していなかったり、UXデザインが浸透しきれていない時代のもの、古臭い、一見時代遅れな見た目に思えるデザインに惑わされ、コンテンツの必要性まで否定してしまわないようにしなければなりません。

 

僕は、アナリティクスなどのデータを拝む前に、前任のWeb屋さんがどういう意図でこのデザイン設計にしたのかを考えます。

 

忘れる前に一つ。僕は必ず前任のWeb制作者に敬意を払った気持ちで調査します。

 

何故なら、同業者だからです。Webサイトというビジネスの成果向上・課題解決のためのツール(成果物)を作り上げるのが簡単ではないと思っているからです。

 

話を戻しますが、きっと前任の方々も当時何か考えがあってこのデザイン設計にしたのだろうと思いながら睨めっこしていると、やはり導線らしきものが浮かび上がってきたり、配置されているコンテンツが有用であったり、適材適所なのだと判断できることがあります。

 

この後に解析データ(数字)で裏付け、改善ポイントを固めていきます。

 

そうすると、「もう少し見やすく解りやすく操作しやすくしてあげよう」で済む場合があります。

 

無駄なことだけはしたくないです。

 

それと、クライアントとのヒアリングも何より重要です。

 

サイトのリニューアルの目的を聞いても、肩透かしな返答が返ってくることがあります。

 

よくある例として、

 

「とりあえず、いろいろ老朽化してるので今風に一新したいです…」という言葉の本音には「うまく言えないけど、何とかしてくれる?」という本音が潜んでいる可能性があります。

 

すなわち、「何とかしてくれる?」=「世間からいい感じに思われて、なおかつ商品やサービスを広めてくれ。そして売れるようにしてくれ。」ということだとも読み取れます。

 

最近では、一般企業でもWeb担当者がいたり、普通にWebに詳しい人もいますが、多くは自サイトの現状の戦略的デザインを知らないクライアントもいます。

 

単に今風にするという着せ替えだけでは、成果向上・課題解決には繋がりにくいです。

 

新規案件などWeb制作全般で言えることですが、クライアントはこちらに身をゆだねている訳ですから、真意を読みとらなければなりません。

 

Webサイト改修時のポイントは色々ありますが、僕は以下の2点を忘れずに心がけています。

 

  • 前任のWeb屋さんの設計思想を読み取る。
  • クライアントの本音を読み取る。

 

経験を積まなくては身につきにくい技ではありますが、それが改修の難しいところであり、楽しいところでもあると思います。